
PCゲームにおいてグラフィックボード(グラフィックカード、ビデオカード、GPU)の性能は極めて重要度の高い要素になります。次点でCPU、メモリ、ストレージ(SSD / HDD)、マザーボード等もパフォーマンスに影響のあるパーツになります。
グラフィックボードは重要ですが、どれを選んだらいいのか分からないという方、コスパを考えてゲーミングPCを選定したい方、基準が分からないからみんなと同じくらいの性能は欲しいなと考えている方まで参考になるように2019年のグラフィックボードの選定の目安や方法について書いてきます。
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2019年のグラフィックボードのラインナップをサクッと理解
2019年の2月時点でのグラフィックボードのラインナップは以下になります。
- RTX2080Ti(ハイエンド )
- RTX2080(准ハイエンド / ウルトラハイスペック)
- RTX2070(ハイスペック)
- RTX2060(メインストリーム)
- GTX1060(ミドルクラス / ミドルレンジ)
- GTX1050Ti(ローミドル)
- GTX1050(ロースペック / ローエンド)
右かっこは分かりやすいように記載していますが、呼び方は特に決まっていません。慣例的に×60番台がミドルという位置づけでそれより上はハイスペック、最上位モデルがハイエンドという感覚になります。
RTX2060は前世代のGTX1070Tiが鎮座していたPCゲーマーのメインストリーム的な位置づけとなるので主流としてはRTX2060の性能・スペックがPCゲーマーの正解に限りなく近い答えの1つになります。
RTX2060がなぜメインストリーム?
解像度編

PCゲームの一般的な解像度が1920×1080ドット=フルHDになります。公式から発表される推奨スペックは基本的にフルHD解像度での推奨スペックになります。
追記事項等で丁寧にフルHD解像度での推奨スペックである事が記載されているタイトルもあります。タイトルによっては4K解像度でのスペックも記載があるタイトルもありますがあくまで別枠として扱われます。
リフレッシュレート / フレームレート編

ゲームジャンルを問わず理想的なフレームレートとして人間が実際にゲームをプレイした時に快適と感じる方も多いので60FPSというのが指標となります。
また、広く普及しているモニターのリフレッシュレートが60Hz程度なので無駄なく使い切る事が出来るという利点もあります。
競技性の高いシューティングゲーム等でより滑らかな描画を目指す場合にはゲーミングモニターと呼ばれる144Hzや240Hz等のリフレッシュレートのモニター環境を用意する事もPCゲームなら可能になります。
その場合にはゲーム側でも144FPS出す必要があり、より高性能なグラフィックカードが求められます。
重量級タイトルへの対応
PCゲームの要求スペックはタイトル毎に違い、ゲーミングPCでは無く安価なノートPCでもプレイ出来るゲームからゲーミングPC(グラフィックカードが搭載)が無いと動作が困難なタイトルまで様々です。
しかし、それらのタイトル事にゲーミングPCを買い換える事は非現実的とも言えます。例えばFF14がプレイしたいと思ってゲーミングPCを購入したけれど後にFF15がプレイしたくなったという状況を想像してみましょう。
FF14は中程度の重さのゲームタイトルですが、FF15は重い部類のゲームタイトルになります。FF14を想定してGTX1060を選択したものの、FF15だと画質設定を高めてプレイする場合には60FPSで快適に出来ないので画質設定を調整する必要があります。
これがRTX2060の場合にはFF15のような重量級と呼ばれるタイトルでも快適にプレイする事が出来るようになるのでメインストリーム(主流)なグラフィックスボードと呼ばれる訳になります。
RTX2060ならベンチマーク結果でも快適評価ですが、GTX1060だとやや快適評価になり高画質でフルHDゲームをプレイするには少し物足りない。
先程の例に戻り、FF14では満足していたけどFF15で画質設定を高めてゲームがプレイしたいからまた買い換える or グラフィックボードの交換を自分でするというのは非効率ですよね。
最初からRTX2060搭載のゲーミングPCを買っておけばその分お得になる訳になるので基本的にはPCゲーマーの方にはこのクラスの性能を管理人としては推奨しています。
初心者の方やカジュアルに楽しみたい方にはGTX1060の方をおすすめしています。
RTX2060の主流な理由まとめ
解像度はフルHD、フレームレートは60FPS、画質設定も高く重量級タイトルでも快適という基準値を満たす場合にはRTX2060の性能がドンピシャになる訳です。
高画質×滑らかな描画×ゲームタイトルを選ばない
言い換えるとストレスフリーなPCゲーム環境としての一つの目安がこのRTX2060の性能になります。
https://pcgamebto.com/rtx-2060/

GTX1060はミドルクラスのコスパが際立つGPU
予算が決まっている場合やコストパフォーマンスで選びたいという方も多いでしょう。GTX1060の性能と価格というのは2019年でも魅力は十分感じる事が出来ます。
GTX1060のスペックだと中程度の重さのゲームであれば対応可能になります。オープンワールドを代表とした最新の重いゲームに関しては画質設定を落とす必要があるでしょう。
先程のRTX2060では高画質で滑らかな描画でゲームタイトルを選ばないと書きましたが、GTX1060の場合にはゲームタイトルは選ぶ、もしくは画質が落ちる、もしくは滑らかな描画が出来ないので、どれかが犠牲になります。
例えはFF15の例で見てみましょう。画質設定を下げた状態だとフルHD×60FPSという基準値はクリアしますが、画質設定を上げた状態だと60FPSを確保出来ないので人によっては快適と感じず画質設定を下げて運用するというスタンスが現実的でしょう。
これがGTX1060の重量級への対応力の限界になるので重量級を視野に入れていて本格的なPCゲームを望むのであればより上位グレードが必要になります。
しかし、プレイする事が出来るという観点で考えた場合には中量級なら画質も良く60FPSを出せて、重量級でも設定を下げればプレイ出来るというゲームタイトルを選ばないというメリットもあるとも言えるので2019年でも魅力は十分感じる事が出来るという表現の真意がここになります。
GTX1050Tiだと重量級の場合には最低設定に落としても場合によっては60FPSを確保する事が困難なタイトルも出てきます。
なのでGTX1060もコスパ重視で選ぶ場合には正解に近い答えの1つとなりえます。

フルHDを超える解像度の場合にはRTX2070~RTX2080Tiが必要
フルHD(1920×1080)を超える解像度としてはWQHD(2560×1440)、4K(3840×2160)があります。

左下のモニターが24インチ×フルHDになります。現在の一般的なモニターの解像度とサイズになりますが、4Kというのは縦が2倍、横が2倍の解像度サイズになります。
なので50インチクラスだとちょうど4倍に当たるサイズ感になります。それだけの描画をする必要があるのでゲーミングPCの要求スペックも桁違いに要求されます。

他にもウルトラワイドモニターと呼ばれるUWQHD(3440×1440)という解像度があったりUWFHD(2560×1080)などフルHD~4Kの間には様々な解像度やサイズのモニターがあります。
それらに対応する場合にはRTX2070~RTX2080の性能が適しています。4Kの場合には2080Tiが適しています。
詳細なベンチマークデータを取得しているので気になる方はチェックしてみて下さい。
ハイスペックなグラフィックボードの場合には価格という判断基準というより、絶対的なスペックを基準としてゲーミングPCの性能、グラッフィックボードの性能を選定していきたいという場合に有効な判断基準になります。
4KゲーミングをやりたいからRTX2080Ti搭載機を選ぶ、もしくは設定を調整する事を考慮してRTX2080搭載機を選ぶという選び方になります。
同じく、WQHD(2560×1440) / ウルトラワイド(3440×1440)でゲームをプレイしたいからRTX2080を選ぶ、もしくは設定を調整する事を考慮してRTX2070搭載機を選ぶという選び方になります。
それぞれ実機レビューでベンチマークデータ等を取得したり、解説しているので気になる方はチェックしてみて下さい。
RTX2070 / RTX2080が人気
RTX2080Tiの性能は凄いですが、価格差も非常に大きいのでRTX2070 or RTX2080が2019年2月時点では人気度が高いです。
RTX20シリーズの目玉のレイトレやDLSSも使用する事が可能
RTX20シリーズの目玉は超高解像度だけではありません。RTコアとTensorコアがRTX20シリーズには搭載されているのでリアルタイムレイトレーシングを体験する事が可能になります。
水に反射した影ですが、DXR(DirectX Raytracing)をオンにするとタイヤの影もうっすら見え、リアルタイムで描画されており、更に車体の影もしっかりと描画されています。しかしDXRをオフの状態では影が簡易的な描画になっているが見て分かります。
RTコアの他にもTensorコアがRTX20シリーズには搭載されています。TensorコアはAI的な処理でRTコアを助けるという役割があります。

ーファイナルファンタジー15の参考画像ー
Tensorコアはアンチエイリアス処理の「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」も担当します。
まだまだこれからな技術ですが、フォトリアルな表現を目指してレイトレーシング、それを助けるAIの力という部分で魅力を感じる方はフルHDやWQHDをお使いの方でも最新テクノロジーを体験したいから高スペックを選ばれるという方も多いでしょう。
まとめ
まとめると目安としては現時点でのメインストリームな性能を持つRTX2060 / RTX2070がおすすめです。公式で推奨スペックとして記載されるフルHD解像度×60FPSを確保する事が重量級含めて可能な性能です。
重量級はそこまでプレイしない方やカジュアルにゲームをプレイしたい方にとって魅力的な性能がGTX1060になります。
ミドルクラスCPUと掛け合わせて予算を抑えた選び方をするのも選択肢として正解の一つと言えるでしょう。

最新のテクノロジーを体験したい方や超高解像度での圧巻のゲーム体験をしたい方はRTX2080以上を選ばれる事をおすすめします。
以上、2019年のグラフィックボードから選ぶゲーミングPCの性能評価でした。参考になれば幸いです。
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