ドスパラさんからガレリア AF(Ryzen 7 2700 / RTX2070 )の実機をお借りしたのでレビューしていきます。
ガレリアAFの特徴はCPUが8コア16スレッドのマルチスレッド性能が魅力のRyzen 7 2700を搭載し、グラフィックボードにはNVIDIAの最新アーキテクチャーのTuring採用のRTX2070が搭載します。
フルHD解像度において重量級タイトルでも快適に動作するパフォーマンスが魅力なガレリアAFはハイスペックなゲーミングPCが欲しい方におすすめです。
まずはこちらのページでガレリアの製品の詳細や価格を把握すると理解がグッと深まります。今回レビューするのはRTX2070が搭載されているガレリアAFというモデルになります。
スペック
GALLERIA AF / ガレリア AF | ||
---|---|---|
OS | Windows10 64ビット | |
CPU | Ryzen 7 2700 | |
グラフィック | GeForce RTX2070(8GB) | |
メモリ | 8GB | |
ストレージ | SSD 500GB / HDD 2TB | |
マザーボード | B350 |
レビュー機のスペックになります。現在の商品の詳細や価格については詳細ページにてご確認下さい。
外観をチェック
PCケースはガレリア専用のKTケースです。Aシリーズ・Xシリーズ・Zシリーズと同じになります。冷却性能と拡張性が高いATXのミドルタワー型になります。
フロントを開ける事は可能ですが、結構面倒なのでフロントファンを換装したい場合はBTOオプションで頼むのも手です。フロントファンは12cmです。カスタマイズする場合は、『フロントケースファン』という箇所で変更可能です。
左側面にはサイドにメッシュ加工がされており、高温になりがちなCPUとGPUを冷却する機構になっています。サイドには12cmファンor14cmファンが取り付け可能です。
右側面には右上にマザーボード部分を冷却する為に吸気があります。
光学ドライブが前面上部に搭載されています。最近のゲームはダウンロードが主体なので使う機会はゲーム用途では少ないかもしれませんが他の用途で使う機会もあると思います。初期装備されているのは嬉しいポイント。
前面インターフェース部はUSB3.0×2、SDカードリーダー、マイク入力×1、ヘッドフォン出力×1、リセットボタン、電源ボタンが並んでいます。その下にはアクセスランプがあります。
天板上部は12cmファンor14cmファンが取り付け可能です。後方にファンがあるので贅沢に置く事はできませんが手前にはスマホなどの小物を置く程度のスペースはあります
背面は上部にケースファンがあります。背面のファンは12cmです。
内部パーツをチェック
内部はこのようになっています。右側の上段が5インチベイ、下段が3.5インチベイの格納になっています。
CPUファンにはAMD静音CPUファンが搭載されています。
GPUはPalit製のNVIDIA GEFORCE RTX 2070が搭載されています。
HDMI端子x1、DisplayPort端子x3、DVI-D×1が装備されています。
マザーボードはASRockのAB350 Pro4が採用されていました。
パーツのメーカーに関しては状況により変更される可能性があります。レビュー機ではこのメーカーのパーツが搭載されていましたという情報になります。
Ryzen 7シリーズ
製品名 | Ryzen 7 2700X | Ryzen 7 2700 |
---|---|---|
コードネーム | Pinnacle Ridge | Pinnacle Ridge |
コア数 / スレッド数 | 8 / 16 | 8 / 16 |
動作クロック(ベース/TB時) | 3.7GHz / 4.3GHz | 3.2GHz / 4.1GHz |
3次キャッシュ | 16MB | 16MB |
PCI Expressレーン | 24 | 24 |
対応メモリ | DDR4-2933 / 2ch | DDR4-2933 / 2ch |
TDP | 105W | 65W |
倍率アンロック | 対応 | 対応 |
執筆時だとRyzen 7 2700Xにカスタマイズする事も可能なのでスペック情報を合わせて掲載します。AMDの主力Ryzenシリーズの最上位モデルがメニーコアトレンドをもたらしたRyzen 7シリーズです。第2世代になりパフォーマンスもアップ。
付属品もチェック
キーボードとマウスも標準付属。高級キーボードや高級マウスには操作性では勝てませんがゲーミングPCをはじめて購入される方には嬉しい点。
ゲーム性能をチェック
3DMARK
3DMarkは3Dゲームのパフォーマンスを計測する世界標準のベンチマークソフトです。
Fire StrikeはフルHD、Fire Strike ExtremeはWQHD、Fire Strike ULTRAは4Kのベンチとなっています。Time SpyはDirect12に対応したベンチマークテストになります。
3D MARK | 項目 | スコア |
---|---|---|
Fire Strike | スコア | 15754 |
Graphics Score | 21171 | |
Physics Score | 16824 | |
Combined Score | 5227 | |
Fire Strike EXtreme | スコア | 9613 |
Graphics Score | 10068 | |
Physics Score | 17632 | |
Combined Score | 4758 | |
Fire Strike Ultra | スコア | 5122 |
Graphics Score | 4995 | |
Physics Score | 17620 | |
Combined Score | 2736 | |
Time Spy | スコア | 8215 |
Graphics Score | 8528 | |
CPU Score | 6801 | |
Time Spy EXtreme | スコア | 3822 |
Graphics Score | 3998 | |
CPU Score | 3060 |
3DMARKで比較
Fire Strike | i7-9700K&RTX2070 | Ryzen 7 2700&RTX2070 |
---|---|---|
スコア | 19248 | 15754 |
Graphics Score | 21586 | 21171 |
Physics Score | 18560 | 16824 |
Combined Score | 10959 | 5227 |
TimeSpy | i7-9700K&RTX2080Ti | Ryzen 7 2700&RTX2080 |
---|---|---|
スコア | 8358 | 8215 |
Graphics Score | 8534 | 8528 |
CPU Score | 7484 | 6801 |
RTX2070搭載でCPUがCore i7-9700KとRyzen 7 2700で比較したデータになります。DirectX 11のFire Strikeだと総合的なスコア差とCombined Scoreにおいて大きく乖離があるのが目に付きます。DirectX 12のTimeSpyだとCPUスコアに多少差はあるもののFireStrikeほど性能差が無いというデータが出ています。
実機で取得した総合的なスコアの比較
構成:Core i9-9900K×RTX2080Ti、Ryzen 7 2700×RTX2080Ti、Core i7-9700×RTX2080、Core i7-9700K×RTX2070、Ryzen 7 2700×RTX2070、Core i7-8700×RTX2060、Core i7-8700×GTX1070、Core i7-8700×GTX1060(6GB)、Ryzen 5 2600×GTX1060(6GB)
分かりやすく総合的なスコアで比較するとRyzen 7 2700×RTX2070だとCore i7-8700×GTX1070相当のスコアになっています。
ハイエンド系だとRyzen 7 2700×RTX2080Tiの組み合わせの場合には、Core i7-9700K×RTX2070相当のスコアになっています。
ミドルクラスのゲーミングPC構成に注視するとCore i7-8700を搭載したGTX1060モデルとRyzen 5 2600はスコア差が少ない傾向にあります。
つまりコスパで考えるのであればミドルクラスだと優秀なRyzenですが、ハイスペッククラスになるとPCゲームの場合にはパフォーマンス差が出てしまう傾向があるのでCPU性能が重要なゲームや高フレームレートを出したい場合には注意する必要があるでしょう。
レイトレーシングの性能をチェック
Port Royalはリアルタイムレイトレーシングのベンチマークになります。どの程度レイトレーシングをリアルタイムで処理できるかを評価したベンチマークソフトです。
実機で取得したデータです。
RTX2070はRTX2060とRTX2080の中間の性能になりますが若干RTX2060寄りになります。
ファイナルファンタジー XV《重量級》
FF15のベンチマークではスコアが12,000を超えると最高評価の非常に快適になります。現状国産ベンチマークで配布されている中ではかなり重いベンチマークになります。重量級のゲームをプレイされる方はこのベンチマークを指標にゲーミングPCを選択するのがおすすめになります。
フルHD、WQHD高品質設定(最高設定)で快適評価に達しています。重量級ゲームでも対応可能なのがRTX2070の強みです。
解像度 | 設定 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
3840×2160 | 高品質 | 3768 / 37 fps | 普通 |
標準品質 | 4350 / 43 fps | 普通 | |
軽量品質 | 6177 / 62 fps | 快適 | |
2560×1440 | 高品質 | 6457 / 64 fps | |
標準品質 | 7889 / 79 fps | ||
軽量品質 | 9886 / 99 fps | とても快適 | |
1920×1080 | 高品質 | 7953 / 79 fps | 快適 |
標準品質 | 10295 / 103fps | とても快適 | |
軽量品質 | 11778 / 117 fps |
ファイナルファンタジー XIV 紅蓮の解放者《中量級》
FF14の紅蓮の解放者のベンチマークはスコアが7000を超えると非常に快適の評価が出ます。7000を超えているので、FF14が快適にプレイ可能です。中量級のゲームのプレイを想定してゲーミングPCを選択される方はFF14のベンチマークを指標にして選択するのがおすすめです。
解像度 | 設定 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
3840×2160 | 最高品質 | 50 FPS / 6759 | とても快適 |
高 | 58 FPS / 7934 | 非常に快適 | |
標準 | 94 FPS / 12195 | ||
2560×1440 | 最高品質 | 86 FPS / 11397 | |
高 | 92 FPS / 11952 | ||
標準 | 118 FPS / 14281 | ||
1920×1080 | 最高品質 | 104 FPS / 13103 | |
高 | 109 FPS / 13236 | ||
標準 | 123 FPS / 14645 |
ドラゴンクエストX《軽量級》
すべての設定において最高評価の『すごく快適』評価が出ています。
解像度 | 設定 | スコア | 評価 |
---|---|---|---|
3840×2160 | 最高品質 | 16059 | すごく快適 |
1920×1080 | 最高品質 | 17988 |
モンスターハンター第三弾[大討伐]《軽量級》
モンスターハンターオンラインでのベンチマークソフトでも非常に高いスコアが出ています。
画面サイズ | スコア |
---|---|
3840×2160 | 15926 / 136 fps |
2560×1440 | 32791 / 282 fps |
1920×1080 | 51957 / 445 fps |
PSO2ベンチマーク ver.4《軽量級》
公式では5001以上の性能があれば快適という見解が出ていますが、最高設定で4万超えのスコアが出ています。
解像度 | 設定 | スコア |
---|---|---|
1920×1080 | 簡易設定6 | 194 FPS / 43804 |
ゲーム内ベンチマークを計測
アサシンクリードオデッセイ
解像度 | 設定 | FPS | |
---|---|---|---|
4K 3840×2160 |
最高 | 34 | |
高 | 44 | ||
低 | 60 | ||
WQHD 2560×1440 |
最高 | 48 | |
高 | 63 | ||
低 | 78 | ||
フルHD 1920×1080 |
最高 | 53 | |
中 | 65 | ||
最低 | 77 |
フレームレートはベンチマーク実行時の数値になります。
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー
解像度 | 設定 | FPS | |
---|---|---|---|
4K 3840×2160 |
最高 | 37 | |
中 | 47 | ||
最低 | 71 | ||
WQHD 2560×1440 |
最高 | 69 | |
中 | 76 | ||
最低 | 92 | ||
フルHD 1920×1080 |
最高 | 81 | |
中 | 83 | ||
最低 | 91 |
DirectX12 / TAA環境で取得しました。フレームレートはベンチマーク実行時の数値になります。
バトルフィールド5
解像度 | 設定 | FPS | |
---|---|---|---|
4K 3840×2160 |
最高 | 40 | |
高 | 42 | ||
中 | 52 | ||
低 | 55 | ||
WQHD 2560×1440 |
最高 | 61 | |
高 | 64 | ||
中 | 77 | ||
低 | 80 | ||
フルHD 1920×1080 |
最高 | 81 | |
高 | 86 | ||
中 | 101 | ||
低 | 102 |
DXR、RTX DLSSともにオン、DirectX12、『祖国の為に』の開始地点にて計測しました。
ファークライ ニュードーン
解像度 | 設定 | FPS | |
---|---|---|---|
4K 3840×2160 |
最高 | 48 | |
中 | 51 | ||
最低 | 58 | ||
WQHD 2560×1440 |
最高 | 66 | |
中 | 73 | ||
最低 | 81 | ||
フルHD 1920×1080 |
最高 | 67 | |
中 | 73 | ||
最低 | 82 |
フレームレートはベンチマーク実行時の数値になります。
Apex Legends
解像度 | 設定 | FPS | |
---|---|---|---|
4K 3840×2160 |
最高 | 49 | |
WQHD 2560×1440 |
最高 | 75 | |
フルHD 1920×1080 |
最高 | 87 |
スカルタウンに降下した際のフレームレート。
フルスクリーン、視界:90、色覚特性モード:オフ、垂直同期:無効、解像度適応の目標fps:0、アンチエイリアス:TSAA、テクスチャストリーミング割り当て:極(VRAM:8GB)、テクスチャフィルタリング:異方性16X、アンビエントオクルージョン品質:高、サンドシャドウ範囲:高、サンシャドウディティール:高、スポットシャドウディティール:最高、空間光:有効、ダイナミックススポットシャドウ:有効、モデルディティール:高、エフェクトディティール:高、衝撃マーク:高、ラグドール:中
Forza Horizon 4
解像度 | 設定 | FPS | |
---|---|---|---|
4K 3840×2160 |
ウルトラ | 62 | |
ミディアム | 81 | ||
ベリーロー | 101 | ||
WQHD 2560×1440 |
ウルトラ | 86 | |
ミディアム | 106 | ||
ベリーロー | 127 | ||
フルHD 1920×1080 |
ウルトラ | 101 | |
ミディアム | 109 | ||
ベリーロー | 129 |
フレームレートはベンチマーク実行時の数値になります。
フォートナイト
解像度 | 設定 | FPS | |
---|---|---|---|
4K 3840×2160 |
エピック | 50 | |
高 | 67 | ||
中 | 117 | ||
低 | 195 | ||
WQHD 2560×1440 |
エピック | 100 | |
高 | 135 | ||
中 | 205 | ||
低 | 276 | ||
フルHD 1920×1080 |
エピック | 150 | |
高 | 184 | ||
中 | 205 | ||
低 | 274 |
場所:ダスティディボットにて計測し、3D解像度は100%に変更しています。
RTX2070の性能的にはフルHDの重量級の対応力とWQHD重量級も視野に入る高スペックが魅力になります。VRAMが8GB搭載しているのもポイントが高い。ApexLegendやバイオハザード:Re2など高画質設定でVRAMを要求してくる最新タイトルというのも目立つのでVRAM容量は多い方が安心出来ますね。
VR性能をチェック
VRMARK《VR性能》
Orange、Blue共にスコアが5000を越えると「VR Ready」評価になります。Orange Roomは標準的なVR性能を評価するベンチマークで、Cyan RoomはDirect12、BlueRoomは将来用です。
VRMARK | 項目 | スコア |
---|---|---|
Orange Room | スコア | 8133 |
Avg FPS | 177 fps | |
Cyan Room | スコア | 8068 |
Avg FPS | 175 fps | |
Blue Room | スコア | 2669 |
Avg FPS | 58 fps |
重量級のVRゲームも快適に動作するスペックになります。
CPU性能をチェック
CINEBENCH R15
CINEBENCH R15 | スコア |
---|---|
CPU | 1524 cb |
CPU(Single Core) | 156 cb |
CPU性能の比較をする時に参考になるのがCINEBENCHになります。Ryzen 7 2700はマルチスレッド性能は優秀ですがシングルスレッド性能で見劣りします。
ゲーム用途としては場合によっては足を引っ張るという表現が適している印象です。CPU性能が重要なゲームでフレームレートの差異が出るタイトルがあります。
実機レビューでの参考数値を掲載
V-Ray Benchmark v1.0.8
CINEBENCH R15と同じ3DCGレンダリング系のベンチマークのV-Rayで計測すると1:28秒(88秒)という結果になりました。価格的に乖離があるCore i7-9700Kに迫るスコアを出しています。用途によってはRyzen 7 2700のコスパが光るというシーンもあります。
実機レビューでの参考数値を掲載
ストレージの速度をチェック
ゲームタイトルによってはHDDが原因でスタッタリング(カクつき)が発生する場合もあります。そういう意味でSSDは必須ですが500GBあるのである程度のゲームソフトをインストールする事が出来ます。
静音性のチェック
アイドル時 | 3DMARK FireStrike実行時 |
---|---|
42.2 db | 42.9 db |
アイドル時とFF14と3DMARKのFire Strikeを実行した時の騒音デジベルを計測しました。無響室で計測した訳で無く、一般的な住宅で計測した数値になっているので参考程度に考えて下さい。
消費電力のチェック
アイドル時 | 3DMARK |
---|---|
95.1w | 251w |
消費電力を計測しました。消費電力はワットチェッカー(REX-BTWATTCH1)で計測しています。
温度のチェック
アイドル時とベンチマーク実行時の温度 |
---|
CPUやGPU等の構成内容によって温度は変化します。室温23℃環境での計測になります。計測ソフトはHWMONITOR-PROを用いて3DMARKのFire Strikeのベンチマークを実行した温度になります。CPU温度、GPU温度ともに低めです。
まとめ
ガレリアAFはRTX2070の性能を有しているのでフルHD重量級やWQHDの重量級に対応した高スペックなゲーミングPCになります。ただ、CPU性能的に解像度や画質設定を下げた時のフレームレートの伸びという部分でフレームレート的に少し物足りないという部分も感じます。
高画質ゲーミングを主体とし、高リフレッシュレートのゲーミングモニターを有していない方であれば高フレームレートを出しても宝の持ち腐れとも言えるのでガレリアAFのコスパが光る場面もあるでしょう。
実際にフルHD環境なら一部の最重量級ゲームを除き、60FPSは超えてくるタイトルが多いです。
FPSゲーマーにはおすすめは出来ないですが、フルHD重量級ゲームを60FPSで快適にプレイしたい方。そして8コア16スレッドのマルチスレッド性能に魅力を感じる方にガレリアAFはおすすめです。
- 拡張性の高いPCケースが欲しい方
- SSDとHDDのデュアルストレージかつSSDの容量が多いのでストレスフリーな環境が欲しい方
- レイトレーシング対応のゲーミングPCが欲しい方
- フルHD重量級ゲームでも快適にプレイしたい方