マウスコンピューターさんから「NEXTGEAR JG-A7G70」の実機をお借りしたのでレビューをしていきます。
「NEXTGEAR JG-A7G70」は、CPUに「Ryzen 7 5700X」を搭載し、ゲームで重要なグラフィックスボードにはNVIDIAの「GeForce RTX 4070」を搭載したWQHD向けのゲーミングPCです。
映像の美麗さにこだわるゲーミング環境を構築したい方や、FPSゲームを快適に楽しみたい方におすすめです。気になった方はチェックしてみて下さい。
NEXTGEAR JG-A7G70のスペック
スペック | |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 7 5700X |
グラフィック | GeForce RTX 4070(12GB) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
ケース | ミニタワー |
NEXTGEARとは?
- 価格を抑えたブランド
- AMD CPUのみ採用(執筆時点)
- 通販でしか購入する事が出来ない
NEXTGEAR(ネクストギア)ブランドは、2023年7月26日に販売が開始されたマウスコンピューター「G-Tune」とは別のブランドになります。高いコストパフォーマンスが魅力のブランドで、通販限定の専用モデルとなっています。
「NEXTGEAR」は初心者の方のはじめてのゲーミングPCや、コストパフォーマンスを求める方におすすめのブランドになります。
外観デザイン
PCケースはNEXTGEAR専用ミニタワーケースです。左側面は標準で強化ガラス仕様。カラーはホワイトになります。
フロント中央に「NEXTGEAR」のロゴマークがあり、強化ガラス下にも「NEXTGEAR」という文字が入っています。
フロント部はメッシュ加工がされており、フロント部と側面が光るのが特徴的です。
右側面には何もありません。
強化ガラスの開閉は、ワンプッシュ式ではありません。ネジがあるので普通に外す事で開閉が行なえます。
強化ガラスの表面です。
強化ガラスの裏面です。
強化ガラスの厚みは4mm程度です。持つと見た目以上に重さを感じるずっしり感があります。
前面インターフェース部は電源ボタン、USB3.0×2、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1が配置されています。
天板にはダストフィルターが付いています。ダストフィルターはワンタッチで取り外せてメンテナンス性が高いです。磁石のようにペタッとくっついているだけなので取り外しも簡単です。
背面の映像出力端子は「HDMI端子、DisplayPort端子x3」となっています。複数のモニターを繋ぐ用途でも活用出来ます。
底面には天板と同様のダストフィルターが付いています。こちらもワンタッチで取り外せてメンテナンス性が高いです。
内観
左側面を開けると内部にアクセス可能です。NEXTGEARの筐体の特徴としては、ファンの搭載数が多いです。
LEDファンは6つ( 前面×3 / 上面×2 / 背面×1 )になります。ファンは12cmです。
フロント部がメッシュでファンの搭載数も多いため、冷却性能に優れている筐体という印象です。
グラフィックスカードホルダーが標準搭載されています。上下左右の調整が可能なので、将来的にグラフィックボードの換装を行いたい方にも使えます。
電源は右側面を開閉するとアクセス可能です。ストレージの格納もこちらにあります。SSD×2の搭載が可能です。HDDは搭載する事が出来ません。
PCケースの特徴を以下にまとめました。
- ミニタワー型なのでコンパクト
- 天板と底面にダストフィルターが付いている
- オプションで強化ガラス&LED仕様に変更可能
- ファンの搭載可能数が多い
ゲーム性能
ベンチマークソフトを使用してゲームのパフォーマンスをチェックしました。
3DMARK
FireStrike
TimeSpy
3DMARKのFireStrikeはDirectX 11、TimeSpyはDirectX 12のパフォーマンスを計測する定番ベンチマークソフトです。
TimeSpyの参考スコア比較です。
RTX 4070は人気が高いグラフィックスボードになります。RTX 4070の性能は、RTX 4070TiとRTX 4060Tiの間のパフォーマンスを持っており、ライバルのAMDと比較するとRX 7700XTより少し上の性能を持っています。
1920×1080|最高画質比較
製品名 | CPU | GPU |
---|---|---|
G-Tune DG-I7G70 | Core i7-13700F | RTX 4070 |
NEXTGEAR JG-A7G70 | Ryzen 7 5700X | RTX 4070 |
NEXTGEAR JG-A7A7X | Ryzen 7 7700X | RX 7700 XT |
TimeSpyで近い性能を持つ3台で性能比較をしました。人気モデルの「G-Tune DG-I7G70」がTimeSpyだとトップ性能で、「NEXTGEAR JG-A7G70」と「NEXTGEAR JG-A7A7X」が続くというスコアになっています。
他のゲームのベンチマークテストで比較すると「G-Tune DG-I7G70」と「NEXTGEAR JG-A7G70」は順当な性能差という印象ですが、「NEXTGEAR JG-A7A7X」はRX 7700 XT搭載なのでタイトルによってはかなり性能差が出ている印象です。
パソコンの総合性能をテストするPC MARK10で比較すると、CPU性能が重要になるテストなので「NEXTGEAR JG-A7A7X」はかなり優秀なスコアが出ています。
ファイナルファンタジー15
解像度 | 設定 | スコア / FPS / 評価 |
---|---|---|
4K 3840×2160 | 高 | 7378 / 73 fps【快適】 |
WQHD 2560×1440 | 高 | 13196 / 131 fps【非常に快適】 |
フルHD 1920×1080 | 高 | 16395 / 163 fps【非常に快適】 |
ファイナルファンタジー15は、スコアの評価としては6,000スコアで「快適」、12,000スコアで「非常に快適」になります。
フルHD解像度、WQHD解像度、4K解像度の最高設定で6,000スコアを超えて「快適評価」以上が出ています。
PSO2:NGS
解像度 | 設定 | スコア / 評価 |
---|---|---|
4K 3840×2160 | ウルトラ | 10798【快適】 |
WQHD 2560×1440 | ウルトラ | 31367【快適】 |
フルHD 1920×1080 | ウルトラ | 41077【快適】 |
設定は最高設定のウルトラ(設定6)です。
PSO2:NGSは「10,001以上」のスコアで「快適」評価です。「5,001~10,000」で標準的な動作、「5,000未満」で重い動作判定となります。
フルHD解像度、WQHD解像度、4K解像度で「快適評価」です。
BLUE PROTOCOL
解像度 | 設定 | スコア / FPS / 評価 |
---|---|---|
4K 3840×2160 | 最高 | 10677 / 75 fps【極めて快適】 |
WQHD 2560×1440 | 最高 | 20498 / 143 fps【極めて快適】 |
フルHD 1920×1080 | 最高 | 26947 / 192 fps【極めて快適】 |
BLUE PROTOCOLは、「8000~8999」スコアで「快適」、「10000スコア以上」で「極めて快適」評価になります。
フルHD解像度、WQHD解像度、4K解像度で「極めて快適」に楽しめます。
ファイナルファンタジー14
解像度 | 設定 | スコア / FPS / 評価 |
---|---|---|
4K 3840×2160 | 最高 | 13261 / 90 fps【とても快適】 |
WQHD 2560×1440 | 最高 | 22244 / 158 fps【非常に快適】 |
フルHD 1920×1080 | 最高 | 27737 / 204 fps【非常に快適】 |
ファイナルファンタジー14 暁月のフィナーレは、15,000スコアで「非常に快適」評価となります。
フルHD解像度、WQHD解像度、4K解像度の最高設定で「快適評価」以上が出ています。
ストリートファイター6
解像度 | 設定 | スコア / FPS / 評価 |
---|---|---|
4K 3840×2160 | 最高 | 100 / 59 fps【快適】 |
WQHD 2560×1440 | 最高 | 100 / 59 fps【快適】 |
フルHD 1920×1080 | 最高 | 100 / 59 fps【快適】 |
ストリートファイター6は「90~100」スコアで「快適」評価です。
フルHD解像度、WQHD解像度、4K解像度で「快適」に楽しめます。
Cities: Skylines II
解像度 | 設定 | FPS |
---|---|---|
4K 3840×2160 | 高 | 13 fps |
中 | 32 fps | |
WQHD 2560×1440 | 高 | 26 fps |
中 | 45 fps | |
フルHD 1920×1080 | 高 | 39 fps |
中 | 57 fps |
Cities: Skylines IIは、最重量級タイトルのシミュレーションゲームです。
WQHD高設定で24~35fps程度出ていました。重いシーンで計測しているため平均26fpsでしたが、パフォーマンスを改善するアップデートは継続して提供されているので、将来的にはWQHD高設定でも快適に重い箇所でも30fps以上で楽しめそうな印象です。
サイバーパンク2077
解像度 | 設定 | FPS |
---|---|---|
4K 3840×2160 | レイトレ:オーバードライブ | 27 | fps
レイトレ:ウルトラ | 45 fps | |
WQHD 2560×1440 | レイトレ:オーバードライブ | 62 fps |
レイトレ:ウルトラ | 85 fps | |
フルHD 1920×1080 | レイトレ:オーバードライブ | 91 fps |
レイトレ:ウルトラ | 137 fps |
サイバーパンク2077は、NVIDIA DLSS 3対応ゲームです。最新のRTX 40シリーズ搭載モデルなので、NVIDIA DLSS 3に対応しています。
フルHD解像度、WQHD解像度で「快適」に楽しめます。レイトレーシング:オーバードライブモードでもフレーム生成と組み合わせればWQHD解像度/60fpsで快適に動きます。
Apex Legends
最高設定
最低設定
人気FPSゲームのApexLegendsでは最高画質220fps前後、最低では280fps前後を記録しました。
Apex Legendsで高フレームレートを出して快適に楽しめるゲーミングPCです。144Hz/240Hzなどの高リフレッシュレート液晶モニターと組み合わせるのがおすすめです。
フォートナイト
DX12 | |
最高:79fps | 最低:174 fps |
DX11 | |
最高:92 fps | 最低:221 fps |
人気TPSゲームのフォートナイトは、DX12の最高画質では79ps前後。DX11の最低では221fps前後を記録しました。フォートナイトも高fpsを出して快適に楽しめます。
画質はDX12が良いです。フレームレート的にはDX11の方が出ていました。画質重視の方はDX12。競技性重視で楽しむ方はDX11でプレイするのがおすすめです。
ドラクエ10
解像度 | 設定 | スコア / 評価 |
---|---|---|
3840×2160 | 最高 | 25004【すごく快適】 |
1920×1080 | 最高 | 25161【すごく快適】 |
ドラクエ10のような軽めのゲームは「すごく快適」に動作します。
ゲーム性能まとめ
解像度 | 評価 |
---|---|
4K解像度 | |
WQHD解像度 | |
フルHD解像度 |
RTX 4070はフルHD/WQHD解像度の重量級ゲームを快適に楽しめる性能を持っています。タイトルによっては4K解像度でも快適に楽しめます。
DLSS 3対応ゲームでは高解像度で優れたパフォーマンスに期待出来るので、WQHD解像度なら最重量クラスのゲームでも快適に楽しめます。
- ★★★★★:非常に快適にプレイ可能
- ★★★★☆:快適にプレイ可能
- ★★★☆☆:普通にプレイ可能
- ★★☆☆☆:プレイはやや厳しい
- ★☆☆☆☆:プレイ困難
CPU性能
CPU性能をチェックしました。
CINEBENCH
CINEBENCH 2024
CINEBENCH R23
「CINEBENCH R23」はCGレンダリング性能を測定するベンチマークテストです。
表は「CINEBENCH R23」を当サイトでテストした比較になります。
Ryzen 7 5700Xは8コア16スレッドのRyzen 5000シリーズの性能重視モデルです。
Core i7-13700FとRyzen 7 5700Xのゲーム性能の差は3DMARKの項目で検証していますので、性能差を確認しながら購入する際に参考にして頂ければ幸いです。
ベンチマーク
PC MARK10
PCMark 10 | Essentials | Productivity | DCC |
---|---|---|---|
7813 | 8143 | 11275 | 14099 |
パソコンの総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークソフトが「PCMark 10」です。
Essentialsはアプリケーションの起動速度、Webブラウジング、ビデオ会議などのPCの基本性能を計測します。
Productivityはオフィスソフトの性能、Digital Content Creation(DCC)は写真編集、動画編集などのクリエイティブ系ソフト性能のスコアとなっています。
ストレージの速度
ゲームではSSDにインストールするとロード時間が短縮される効果や、カクつきを抑える効果が見込めます。
「NEXTGEAR JG-A7G70」には1TBのNVMe SSDが搭載されていました。 パソコンの動作がサクサクで、ゲームでもストレスフリーです。
消費電力
アイドル時 | 高負荷時 |
---|---|
消費電力はワットチェッカー(REX-BTWATTCH1)で計測しています。高負荷時は3DMARKのFireStrikeを開始した序盤の消費電力の計測です。数値の変動があるので参考程度に見てみて下さい。
温度
室温22℃環境での計測になります。計測ソフトは「HWMonitor-PRO」を用いて、アイドル時と3DMARKのFireStrikeおよびCINEBENCH 2024を10分間実行した際の最大温度になります。
静音性
アイドル時 | 3DMARK |
---|---|
41.9 db | 46.2 db |
アイドル時と3DMARKのFire Strikeを実行した時の騒音デシベルを計測しました。無響室で計測した訳で無く、一般的な住宅で計測した数値になっているので参考程度に見てみて下さい。
FireStrike実行時の中で最も動作音の大きい数値です。環境の下限は40db前後です。
まとめ
- ミニタワーでサイズがコンパクト
- 美しいデザイン(ホワイトカラー採用&強化ガラス&RGBファン搭載)
- RTX 4070搭載で最新ゲームも快適
- RTX 4070と組み合わせるならCPUはもうワンランク上が個人的にはおすすめ
「NEXTGEAR JG-A7G70」はミニタワー型でサイズがコンパクトでお部屋に置きやすいのがメリットです。筐体のデザイン性が高く、ホワイトカラーが採用で側面には強化ガラスがありLEDで光っている様子が映えます。
性能面ではCPUに「Ryzen 7 5700X」が搭載し、WQHD向け「RTX 4070」が搭載されているので、多くのゲームをWQHD解像度で快適に楽しめるモデルとなっています。タイトルによっては4K解像度も視野に入ります。
不満点が少ない優秀なモデルですが、気になる点を強いて上げるならRTX 4070は非常に性能が高いので、CPUもRyzen 7000シリーズやインテル第14/13世代のCore i7を狙ってみても良いかもしれません。
記事公開時点では「NEXTGEAR JGシリーズ(ホワイト)」にはRTX 4070との組み合わせにRyzen 7000シリーズが無いので、NEXTGEARのホワイトカラー&RTX 4070構成が欲しい方は「Ryzen 7 5700X」しか選択肢が無いため、今後ラインナップの拡充に期待したいです。
とは言え「NEXTGEAR」ブランドは買いやすさを追求したブランドなので、コスパと性能のバランスに優れるモデルを探している方はチェックしてみて下さい。
- コンパクトなサイズを求める方でデザイン性も高い筐体を探している方
- LEDで光るゲーミングPCを探している方
- 快適に重量級ゲームや人気ゲームを楽しみたい方
- WQHD解像度でゲームをプレイしたい方