
ゲーミング環境のアップグレードを考えている人にとって、NVIDIAの次世代GPU「RTX 50 SUPERシリーズ」は、ここしばらく最大の関心事のひとつだったはずです。
Blackwellアーキテクチャをベースに、現行モデルからVRAM容量を50%も引き上げると噂されてきたこのシリーズ。4Kゲーミングのさらなる快適化はもちろん、年々負荷が増すAI生成タスクにも余裕で対応できる”決定版”になるのではないか。そんな期待が、発表前から大きく膨らんでいました。
ところが、ここにきて風向きが変わっています。複数のリーク情報や業界報道を総合すると、2026年内のリリースはほぼ絶望的という見方が急速に広がっているのです。
この記事では、現時点で判明している予想スペックの詳細から、発売延期の背景にあるビジネス上の事情、NVIDIAが打ち出すであろう代替戦略、そしてさらにその先のRTX 60シリーズへの影響まで、わかっていることをひと通り整理していきます。
「結局いま買い替えるべきなのか」という実践的な判断材料も含めてまとめたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
RTX50SUPERシリーズ予想スペック一覧
まずは、現時点で出回っているリーク情報をもとにした予想スペックを見ていきましょう。あくまで未確定の噂段階ではありますが、複数のソースが一致している部分も多く、大きな方向性としては信憑性が高いと見られています。
| モデル | CUDAコア | VRAM | メモリバス幅 | TGP |
|---|---|---|---|---|
| RTX 5080 SUPER | 10,752 | 24GB | 256 bit | 415 W |
| RTX 5080 | 10,752 | 16GB | 256 bit | 360 W |
| RTX 5070Ti SUPER | 8,960 | 24GB | 256 bit | 350 W |
| RTX 5070 Ti | 8,960 | 16GB | 256 bit | 300 W |
| RTX 5070 SUPER | 6,400 | 18GB | 192 bit | 275 W |
| RTX 5070 | 6,144 | 12GB | 192 bit | 250 W |
「VRAM 50%増」はどうやって実現するのか
今回のSUPERシリーズで最も注目すべきポイントは、各モデルのVRAM容量がベースモデルから一律50%増量されると予測されている点です。16GBが24GBに、12GBが18GBに、8GBが12GBに。これはかなりインパクトのある数字ですよね。
その鍵を握るのが、新しい3GB GDDR7メモリチップの採用です。従来のモジュールよりも高密度なこのチップを使うことで、搭載するメモリチップの枚数自体はそのままに、各チップの容量を引き上げるというアプローチが取られます。つまり、基板のデザインを根本から変えなくても容量だけを大幅に増やせるわけで、コスト面でも合理的な手法と言えます。
なお、メモリバス幅(256-bitや192-bit)についてはベースモデルから据え置きの見込みです。容量は増えても帯域幅が変わるわけではないので、そこは過度な期待をしないほうがいいかもしれません。
なぜ24GBが「待望」なのか?
現行のRTX 5080は16GBのVRAMを搭載していますが、「Cyberpunk 2077」のフルパストレーシング設定や、Stable Diffusionなどの画像生成AIを高解像度で回す場面では、すでにVRAMが足りなくなるケースが報告されています。24GBモデルの登場は、こうした「ギリギリ足りない」という不満を直接的に解消してくれるものであり、特にミドルハイ~ハイエンド帯のユーザーにとっては悲願とも言える仕様です。
消費電力はさらに上がる ― 電源選びは慎重に
パフォーマンスとメモリ容量の向上には当然ながら代償もあります。各カードのTGP(消費電力)はベースモデルからおおむね25W〜55W程度引き上げられる見込みで、具体的には以下のような数字が出ています。
TGP変動の予測値
RTX 5070 SUPER:250W → 275W(+25W)
RTX 5070 Ti SUPER:300W → 350W(+50W)
RTX 5080 SUPER:360W → 約415W(+55W)
電源メーカーSeasonicが自社の電力計算ツールにこれらのモデル名を一時的に掲載していたことが話題になりましたが、これはSUPERシリーズの実在を裏付ける有力な傍証のひとつとされています。
実際にこのスペックで登場するなら、電源ユニットは最低でも850W、理想的には1000Wクラスを用意しておくのが無難でしょう。PCを組む際の電源選定には、これまで以上に注意が必要になりそうです。
発売延期の真相 ― なぜ2026年内に出ないのか
では、これだけ魅力的なスペックが予測されているにもかかわらず、なぜSUPERシリーズの発売は遠のいているのでしょうか。
当初、RTX 50 SUPERシリーズは2025年末の発売、少なくともCES 2026での発表は確実視されていました。しかし蓋を開けてみれば、CES 2026でNVIDIAが新しいゲーミングGPUを一切発表しないという異例の事態が起こりました。これは過去5年間で初めてのことであり、業界に大きな衝撃を与えました。
2026年2月時点の情報を総合すると、2026年内のリリースは行われない可能性が高いと見られています。背景にあるのは、大きく分けて2つの要因です。
要因①:AI向けチップへのリソース全集中
ひとつ目は、NVIDIAの経営判断そのものです。「The Information」などの報道によると、NVIDIAの経営陣は2025年12月の段階で、SUPERシリーズの投入を保留する決定を下したとされています。
その理由はシンプルで、爆発的な需要が続くAI向けチップの生産を最優先するためです。
現在のGPU市場はデータセンター向けのAIチップが圧倒的な利益率を誇っており、ゲーミング向けの「リフレッシュモデル」に製造ラインやリソースを割くのは、ビジネスの観点からは非合理的と判断されたわけです。好意的に解釈すれば合理的な経営判断、厳しく言えばゲーマーの軽視とも取れる決定です。
要因②:GDDR7メモリの世界的な供給不足
もうひとつの要因が、メモリチップ自体の深刻な供給不足です。一部では「RAMageddon(ラマゲドン)」とまで呼ばれている状況で、GDDR7を含む先端メモリチップは世界的に逼迫しています。
NVIDIAは限られたメモリ在庫を、利益率の高いデータセンター向け製品や、既存のRTX 50シリーズの上位SKUに優先的に振り分けています。ゲーマー向けのSUPERモデルに回すだけの余裕が、物理的に存在しないのです。
既存モデルにも波及する供給不足
影響はSUPERシリーズの延期にとどまりません。報道によれば、NVIDIAは現行のRTX 50シリーズの生産すら一部削減しているとのこと。さらにジェンスン・ファンCEOは、深刻な供給不足を解消するために旧世代GPUの再生産(復活)すら検討している可能性を示唆しています。それほどまでに、メモリ不足は業界全体に影を落としているのです。
つまり現状は、「設計自体は完了しているが、作りたくても作れない・出したくても出せない」という状態です。技術的な問題というよりは、マクロなサプライチェーンとビジネス戦略の問題であり、それだけに簡単には解決しないのが厄介なところです。
NVIDIAの代替戦略 ― TITAN Blackwellという選択肢
SUPERシリーズが棚上げになる一方で、NVIDIAは別の方向から手を打とうとしているようです。噂されているのが、RTX 5090 Ti、あるいは「TITAN Blackwell」と呼ばれる超ハイエンドモデルの存在です。
TITAN Blackwell(仮)予想スペック
GPU:フルスペック GB203チップ
CUDAコア:約24,064基(RTX 5090の21,760基より約10%増)
TDP:500W超
発売時期:2026年Q3(第3四半期)頃
予想価格:最低でも70万円〜80万円、モデルによっては100万円を超える可能性も十分に考えらる。
100万円以上のグラフィックスカード、と聞くと思わず目を疑いたくなりますが、NVIDIAの狙いは明確です。普及価格帯のSUPERシリーズを出す余裕がない以上、圧倒的な利益率を確保できるフラグシップモデルで市場をつなぐという戦略です。
ターゲットとなるのは、潤沢な予算を持つゲーマーやコンテンツクリエイター、そしてAI開発者。ゲーミング用途というよりは、AI開発やワークステーション向けの「メガGPU」としての色合いが強い製品になるでしょう。一般的なゲーマーにとっては手の届かない存在ではありますが、NVIDIAが「次の一手」を持っているという点は、市場全体にとってはひとまず安心材料とも言えます。
RTX 60シリーズへの影響
RTX 50 SUPERの遅延は、さらにその先の世代にも深刻な影響を及ぼしています。次世代にあたるのが、開発コードネーム「Rubin(ルービン)」で知られるRTX 60シリーズです。
RTX 60シリーズの量産開始は2027年後半を予定。RTX 5090比で30%以上の性能向上と噂される。
リソース不足と開発遅延により、量産開始が2028年にずれ込むとの見方が強まっている。
RTX 50シリーズの製品寿命が想定より長期化。従来の2年サイクルが3年以上に延びる可能性。
これが意味するのは、現行のRTX 50シリーズ、あるいはまだRTX 40シリーズを使っているユーザーは、今のカードとこれまで以上に長い付き合いを覚悟しなければならないということです。
逆に言えば、いまRTX 50シリーズを買ってもすぐに型落ちになる心配は少ないとも解釈できます。世代交代のサイクルが長くなるなら、今買うことの正当性はむしろ高まるという見方もあるでしょう。
今、ゲーマーが取るべき選択肢は?
ここまでの情報を踏まえて、実際にどう動くべきかを考えてみましょう。状況別に整理してみます。
2026年内に買い替えたい人
現行のRTX 50シリーズが現実的な選択肢です。SUPER待ちは2027年以降にずれ込むリスクが高く、それまでの間にメモリ不足による現行モデルの在庫減・価格高騰が起こる可能性もあります。必要なタイミングで必要なものを買う、というのが結局は一番合理的かもしれません。
24GBモデルをどうしても待ちたい人
5070 Ti SUPERや5080 SUPERの24GBモデルが悲願だという気持ちはよくわかります。ただし、2027年まで待てるだけの余裕があるかどうかが判断基準になります。現状、2026年内に動きがある見込みは薄いです。
価格を最重視する人
NVIDIAが足踏みをしている今、競合の動向が鍵を握ります。AMDのRadeon RX 9000シリーズ、IntelのArc Battlemage。これらが積極的な価格攻勢を仕掛ければ、GPU市場全体の価格主導権が動く可能性があります。NVIDIAの一強状態に風穴が開くかどうか、注目しておく価値はあるでしょう。
まとめ
RTX 50 SUPERシリーズの予想スペックは、VRAM 50%増という数字が示す通り、非常に魅力的です。4Kパストレーシングや大規模AI生成ワークロードを快適にこなせるGPUとして、多くのユーザーが待ち望んでいた仕様と言っていいでしょう。
しかし、その魅力的な設計が日の目を見る時期は、大幅にずれ込んでいます。AIチップ需要へのリソース集中、GDDR7の世界的な供給不足、そしてゲーミング市場に対する優先度の低下。これらが複合的に作用した結果、設計は済んでいるが、AIブームの影で凍結されているというのが現時点で最も有力な見立てです。
NVIDIAが再びゲーミング市場にリソースを振り向ける日は来るのか。それとも、TITAN Blackwellのような超高額モデルでお茶を濁し続けるのか。あるいは、AMDやIntelが隙を突いて市場を動かすのか。
いずれにしても、2026年後半から2027年にかけてが、GPU市場の次の転換点になることは間違いなさそうです。
RTX 50シリーズ搭載のおすすめゲーミングPC
| メーカー | 強み | サポート | 納期 |
|---|---|---|---|
| マウスコンピューター | サポート重視の初心者に最適。標準3年保証は業界最長クラス | 24時間365日対応 | 3営業日~ |
| ドスパラ | 納期最速。注文翌日に届くスピード感が魅力 | 24時間365日対応 | 最短翌日出荷 |
| パソコン工房 | 商品数が圧倒的に多い。比較しながら選びたい人向け | 24時間365日対応 | 1週間前後 |
| FRONTIER | セール時のコスパが業界トップクラス。価格重視なら要チェック | 10:00~19:00 | 2週間前後 |
| OZgaming | 業界最安値級が魅力。同価格帯でスペックを盛りやすい。 | LINE中心 | 5〜14営業日 |
| Lenovo | 世界的ブランドの安心感。コスパも高い。 | 9:00-18:00 | モデルによる |
| HP | デザイン性が高い。初心者はVictusシリーズが選びやすい | 9:00~18:00 | 5〜14日程度 |
マウスコンピューター

マウスコンピューターのゲーミングPCブランドは性能重視の「G TUNE」とコスパ重視の「NEXTGEAR」の2ラインがあります。初めてのゲーミングPCならNEXTGEARがコスパ良く選びやすいです。
最大の強みは標準3年間の無償保証。多くのBTOメーカーが1年保証の中、追加料金なしで3年間保証されるのは大きな安心材料です。24時間365日の電話サポートもあるので、深夜にトラブルが起きても相談できます。
長野県飯山市の自社工場で国内生産しており、品質管理の面でも信頼感があります。
CMでもおなじみで知名度が高く、購入前の相談窓口も用意されているため、「PCに詳しくないけど失敗したくない」という方に一番おすすめです。
ドスパラ

ゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」は、国内BTO業界で売上トップクラスの人気シリーズです。2025年9月に大幅リニューアルされ、デザインやシリーズ構成が一新されました。
最大の強みは納期の速さです。最短翌日出荷に対応しており、注文から2日程度で届きます。「今すぐゲーミングPCが欲しい」という方にはドスパラが圧倒的に有利です。
公式サイトにはベンチマークスコアが掲載されているので、スペックがよくわからない初心者でも「このPCならこのゲームがどのくらい快適に動くか」が数字で判断できます。プロゲーマーや人気配信者とのコラボモデルも多く展開されています。
Ozgaming

OZgaming(オズゲーミング)は、株式会社オズテックが展開する日本発のゲーミングPCブランドです。
2023年に法人化された比較的新しいメーカーですが、価格に対してスペックを重視した構成が特徴で、コスパ志向のユーザーを中心に注目を集めています。
SNS、とくにX(旧Twitter)での発信が活発で、購入報告や実機写真、レビュー投稿が多いのも特徴です。実際に累計15,000台以上の販売実績があり、急成長中のブランドといえます。
サポートはLINEやメール対応が中心で、大手BTOメーカーのような常設電話窓口とは運用が異なります。その分、価格重視で割り切って選びたい人向けのメーカーです。
また、2025年からはソフマップでの取り扱いも開始され、実店舗経由での購入やサポートが可能になりました。新興ブランドながら、徐々に信頼性を高めている点も評価できます。
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