
この記事では、マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G Tune」で過去に採用されていたミドルタワー型PCケース(NEXTGEAR)について、実機レビュー機を用いて、外観や構造、使い勝手を詳しく解説します。
レビューは、「通常モデル」と「ダブル水冷+強化ガラス+LEDファンを搭載したカスタマイズモデル」の2構成をもとに行っています。
NEXTGEARのPCケースについて
NEXTGEARのPCケースは、i680シリーズ以降でデザイン変更が行われ、その後は同一のPCケースが採用されていました。
なお、NEXTGEARのPCケースは現在は販売終了しています。当時は「NEXTGEAR+○○」という名称で展開されていましたが、後に名称が変更され、現在は「G Tune+○○」として販売されています。
G Tuneのミドルタワー型モデルは、拡張性や冷却性能に優れている点が特徴です。
全体の印象

全体的にシンプルなデザインになっていてマットな質感になっているのが特徴です。エアフローとしてはサイドパネルと、底面吸気になっています。
右側側面には外気を取り込む為に通気孔があり、ケース内のエアフローに利用されます。
前面

光学ドライブが前面に搭載されます。オプションでカスタマイズ、最初からカスタマイズ済みの製品があるので仕様・詳細をご確認下さい。

フロントロゴが赤く点灯するのが特徴的です。
天板

天板は完全にフラットで物を置きやすいデザインになっています。コントローラーやスマホなど天板に何か置きたいという方にとっては意外と便利に感じる方が多いのではないでしょうか。
USB3.0×4、ヘッドホン端子、マイク端子、カードリーダー、HDMI端子のインターフェースが天板前面に集約されています。天板にある事で実際に使用する上では便利に感じます。
HDMI端子に関しては、実況配信をする方やVRなどの機器を接続する際には便利に感じる方も多いでしょう。
背面

背面は電源ユニットが上部に配置されています。通常モデルのケースファンは、背面に1基のみ搭載されています。
ファン構成が1基であることから、静音性の面では旧ケースよりも有利です。
実機レビューでの測定データを比較すると、新ケースのほうが静かな結果となっています。

HDMI端子をグラボに接続する事でフロントのHDMI端子が使用可能になります。新ケースになったミニタワー型(NEXTGEAR-MICRO)もこの機構が採用されています。
VR向けヘッドマウントディスプレイやゲームキャプチャーなどで使用するHDMI端子をケース上面に搭載していますので、毎回パソコンの裏側にケーブルを接続する煩わしさから解放されました。
という公式ページの記載がある通り、VRや実況・配信と相性の良いPCケースになっています。
底面

底面はゴム足が4つ付いています。底面吸気のエアフローになっているので「マグネット式ダストフィルター」が標準搭載されています。
このフィルターは水洗い可能です。マグネット式なので装着もお手軽。硬い素材では無い(むしろ柔らかい)ので取り回しもしやすいです。メンテンス時に楽です。

底面は正六角形を並べたハニカム構造となっていて、強度を高めつつ空気(外気)を取り込む工夫が施されています。
ケースファンが搭載可能なネジ穴が空いているので、ケースファンを増設する事も可能です。

LEDファンを搭載したカスタムモデルの場合だと底面から見るとファンが見えます。
内部構造について

内部は全体的にかなりスッキリしている印象です。裏配線がしっかりと処理されており、メンテナンス性は非常に高いと感じました。
内部レイアウトは、左上に電源ユニット、右上に3.5インチHDDベイを2基搭載しています。左側にはケースファンを1基、右側にはケースファンを最大2基まで搭載可能です。
右側のケースファンは、非搭載時は吸気、搭載時は排気として機能します。
さらに、下部にはケースファンを最大3基まで搭載可能です。そのため、ケースファンは合計で最大6基まで増設できます。

HDDのベイに関しては簡単に装着可能な機構になっていて2基搭載可能です。
ストレージについて

SSDは最大で3基まで搭載可能です。ストレージのベイとしては2.5インチが3つ、3.5インチが2つなので合計5台まで搭載可能になります。

マウンタがあるのでネジとSSDとSATAケーブルを購入し、本機であれば3台までの増設作業が行えます。
CrucialのSSDをマウンタに合わせてみるとネジがしっかりとハマりました。

後はマウンタに固定して配線してしまえばOKです。
PCIブラケットについて

また、PCIブラケット部分のネジが緩いと金属の接触音が出る事があったので、ドライバーで強めに締めるのがおすすめです。強めに締めると音は出ないです。
LEDファンを搭載したカスタムモデルの場合

こちらはダブル水冷+LEDファンのカスタムモデルという場合の内部画像になります。LEDファンが合計6基付いています。これらが赤く光ります。

光り方としてはこのようなイメージが近いと思います。
強化ガラスについて

NEXTGEARには強化ガラスが採用されたモデルも存在しています。

強化ガラスの開閉はボタンのような突起を引くとロックが解除されます。

押すとロックがかかるような機構になっています。
強化ガラス仕様には以下の2点のメリットがあります。
- 内部の視認性が上がる
- 工具がなしですぐにパソコン内部にアクセスする事が可能なのでメンテナンス性の向上
ゲーミングPCのメンテナンスは重要で、エアダスターなどで掃除する際にパネルの開閉が楽な事のメリットは大きいです。

2台同時に並べた場合にはこのような感じになります。
サイズ感

27インチ4K解像度のモニターと並べた場合にはこのような感じになります。
| ミドルタワー(NEXTGEAR) | ||
|---|---|---|
| 幅×奥行き×高さ(mm) | 210×520.5×435 (突起部含まず) 210×524.2×435 (突起部含む) | |
公式サイトで記載されているサイズ表になります。
| フルタワー(MASTER PIECE) | ||
|---|---|---|
| 幅×奥行き×高さ(mm) | 215×490×501 | |
最上位のフルタワーのMASTER PIECEよりも奥行きに関しては大きくなっています。ただ体感としてはやはりフルタワーであるMASTER PIECEの方が高さが高い分大きいと感じます。
| ミニタワー(NEXTGEAR-MICRO) | ||
|---|---|---|
| 幅×奥行き×高さ(mm) | 188.8×396×400 (突起部含まず) 188.8×410.5×400 (突起部含む) | |
ミニタワーと比較した場合にはミドルタワーの方がサイズは大きいです。
まとめ

G TuneでゲーミングPCを選ぶ際、「ミニタワー(NEXTGEAR-MICRO)」と「ミドルタワー(NEXTGEAR)」で迷う方も多いでしょう。
より本格的にPCゲームを楽しみたい場合は、「ミドルタワー(NEXTGEAR)」または「フルタワー(MASTER PIECE)」が選択肢になります。
冷却性能ではフルタワーの「MASTER PIECE」に分がありますが、水冷やダブル水冷のオプションを選択すれば、「NEXTGEAR」でも必要十分以上の冷却性能が期待できます。
もちろん、通常構成のモデルでも快適にゲームをプレイすることが可能で、冷却性能の面でも不安はありません。
ゲーミングPCの購入を検討していて、どのモデルにするか悩んでいる方には、バランスの取れた「NEXTGEAR」は特におすすめです。
なお、執筆時点の公式サイトでは「ゲーマー達の追い求める《答え》の一つがカタチになって登場」
というキャッチコピーが使われていますが、シンプルにまとまりつつも、赤く光るG Tuneロゴや高いメンテナンス性など、G Tuneらしいアイデンティティはしっかりと継承されています。
G TuneのデスクトップPCカテゴリでは、CPUやグラフィックボード別に製品がまとめられているため、欲しいスペックに合わせて比較・検討することが可能です。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。














