
ゲーミングノートPCといえば「高価で手が出しにくい」というイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、実際には15万円前後で購入できるエントリーモデルが存在し、非常にコストパフォーマンスに優れています。
例えば、モニター代を考慮すれば、デスクトップPCとトータルの価格差は意外と小さく、しかもノートPCならではの持ち運びの利便性も大きなメリット。
また、エントリーモデルは消費電力や発熱が控えめな分、騒音も抑えられており、快適なプレイ環境が得られます。
今回は、そんなエントリーモデルの中から、マウスコンピューターさんのゲーミングノートPC3機種をお借りして、徹底比較してみました。
比較するのはこの3機種!
- NEXTGEAR-NOTE i5320シリーズ
-
→ G-Tuneシリーズの中で最も価格が安いエントリーモデル。
- Pシリーズ(マウスブランド)
-
→ デスクトップ向けCPUを搭載し、3機種中最も高性能なモデル。
- Kシリーズ(GTX950搭載)
-
→ 前世代GPUを採用し、価格を最も抑えたリーズナブルな1台。
この3機種を一言で表すと
- i5320シリーズ:スタンダードなゲーミングノート
- Pシリーズ:ゲーム向けではないが、高性能
- Kシリーズ:性能よりも価格重視
これから「ゲームもしたいけど、できるだけ価格は抑えたい」「ノートPCで済ませたい」という方にとって、どの選択が最もおすすめか?この記事が、その判断材料になれば幸いです。
3機種を徹底比較
外観で比較
NEXTGEAR-NOTE i5320シリーズとKシリーズの外観は天板以外は酷似しています。
記事一番上に掲載されている写真の中央がi5320シリーズ、左がKシリーズです。蓋を開けてしまうとバックライトの有無くらいでしか判別は付きません。
i5320シリーズ | Kシリーズ |
---|---|
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幅385mm×奥行き271mm×高さ31.5mm (折り畳み時/ 突起部含む) | 幅378mm×奥行き267mm×高さ35.6mm (折り畳み時/ 突起部含む) |
両者が大きく違うのは天板のデザインの違いです。i5320シリーズは、センターに盛り上がるようなデザインで中央部に位置する箇所が赤色LEDで光ります。

なので、個性的なデザインが良いのならNEXTGEAR-NOTE i5320シリーズ、シンプルなデザインを好むのであればKシリーズという事になります。後はグラフィックボードが違うのでディスプレイ出力の端子が異なります。
Pシリーズ |
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幅375mm×奥行き257mm×高さ35.3mm (折り畳み時/ 突起部含む) |
Pシリーズの外観の特徴としては、シンプルだけど天板がフラットでヘアライン加工されているので高級感があり、全体としても剛性感が高いという印象を持ちました。

見た目の好みはPシリーズ。だけど気になる点も…
3機種の中でPシリーズは最も奥行きがコンパクトで、個人的には外観デザインとして一番好みです。
スッキリとした印象で、省スペース性を重視する方には特におすすめできます。
ただし、いくつか気になる点もありました。
まず、有線LANポートの位置について。
PシリーズではLANポートが本体のかなり手前側に配置されているため、ケーブルの取り回しに違和感を感じる方もいるかもしれません。
ノートPCなので通常は無線LANで使うことが多いとは思いますが、オンラインゲームなどで有線接続を選ぶ方には少し気になるポイントだと感じました。
また、排熱の構造にも注意が必要です。
Pシリーズは右側面から熱を排出する設計になっており、右利きでマウスを使う場合、排熱が手に直接当たる可能性があります。
冬場はむしろ暖かくてありがたいかもしれませんが、夏場はやや不快に感じることもあるかもしれません。
そのほか、細かな外観の違いについては、以下の記事で詳しくまとめていますので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
キーボードの打ちやすさは?Pシリーズとi5320シリーズを比較
NEXTGEAR-NOTE i5320シリーズとKシリーズはほぼ同じキーボードだと思うのでそちらの比較は除外して、i5320シリーズとPシリーズで比較してみました。
キーピッチ(キー同士の間隔)に関しては、m-BookのPシリーズの方が広めで、打ちやすさを感じました。
一方で、i5320シリーズのキーボードは反発がやや弱めで、長時間のタイピングには向いていると感じました。
キーピッチに関しては慣れてしまえば大きな問題はないと思いますので、文章作成やテキスト入力が多い方には、i5320シリーズのほうがおすすめです。
ただし、キーボードの打鍵感は好みが分かれるポイントでもあります。
しっかりとした剛性感や、パチッとした打ち心地を好む方にはPシリーズのキーボードが向いていると言えるでしょう。

i5320シリーズにはバックライトも付いているので視認性という意味ではi5320シリーズが有利です。
重量で比較
Pシリーズ | i5320 | Kシリーズ |
---|---|---|
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大体の目安程度に考えて下さい。一番軽いのがKシリーズで2,298g、次点でi5320シリーズが2,395g、一番重いのがPシリーズで2,647gでした。いずれもバッテリー込みです。
性能で比較:スペック差は順当。ただしゲーム用途ではCPUよりもGPUがボトルネック
(画像はクリックで拡大します)
スペックを見る限り、各モデルの性能差は順当に反映されていると感じます。
特に、デスクトップ向けCPUを搭載しているPシリーズは処理性能が高く、ノートPC用のCPUを搭載しているi5520シリーズ(GTX1050・VRAM 2GB)と比較すると、ベンチマークでは多少の差が出ています。
しかし、実際のゲームプレイにおいては、その差が大きく感じられるかというと、そうでもありません。
というのも、GTX1050クラスのGPUでは、CPUの性能よりも先にGPUがボトルネックになりやすいため、この価格帯においてはデスクトップCPUの恩恵は限定的です。
ハイエンドGPUを搭載したモデルであればCPU性能の差が明確に影響しますが、GTX1050クラスではGPU性能がゲームの快適さを左右する主要因となります。
一方、最新世代のGPUと前世代のGPUを比較すると、その性能差は明確です。
そのため、ゲームに重点を置くのであれば「価格」よりも「GPUが最新かどうか」に注目するのが最適な選択だと言えるでしょう。
また、ゲーム以外の用途、たとえば動画編集やエンコードなどCPU性能を重視する作業であれば、デスクトップCPUを搭載したPシリーズの優位性は明確です。
エンコード時間の短縮など、作業効率を重視したい方にはPシリーズが特におすすめです。
価格で比較
構成内容 | Pシリーズ(P500X1-M2SH2) | i5320シリーズ(GA1) | Kシリーズ(K685XN1-SH2) |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-7700 | Core i7-7700HQ | Core i7-7700HQ |
GPU | GTX1050(4GB) | GTX1050(2GB) | GTX950M(2GB) |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
SSD | 256GB | 256GB | 256GB |
HDD | 1TB | 1TB | 1TB |
動作時間 | 約 7.2時間 | 約 6.6時間 | 約 7.7時間 |
価格 | 139,800円 (税別) | 129,800円(税別) | 119,800円 (税別) |
※本記事に記載の内容は執筆時点での価格構成に基づいています。ご購入の際は、必ず公式サイトにて最新情報をご確認ください。
液晶サイズは3機種すべて15.6インチのフルHDで統一されていますが、i5320シリーズのみバックライト付きキーボードを搭載しています。
総合的なコストパフォーマンスを考えると、前世代のGPUと比べて性能差が大きい最新のGTX1050を搭載している点や、バックライトキーボードの存在などから、ゲームをメインにしない方にとっても、i5320シリーズは非常にバランスの取れたおすすめのモデルです。
冒頭でも触れましたが、「ゲーミングノートPCは高い」というイメージを持っている方は少なくないと思います。
しかし実際には、エントリーモデルであればデスクトップPCと比べても価格差は大きくなく、持ち運びができるという利便性も加味すると、むしろコスパが高いケースも多いのです。
そのため、これまで「ゲーミング」という名前だけで敬遠していた方も、一度ゲーミングノートPCのエントリーモデルをチェックしてみる価値は十分にあると思います。
ベストバイはi5320シリーズ

スペック | |
---|---|
CPU | Core i7-7700HQ |
グラフィック | NVIDIA GeForce GTX 1050(2GB) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD 1TB HDD |
液晶 | 15.6型 フルHDノングレア |
重量 | 約 2.3kg |
大きなデメリットは特に見当たりません。
強いて挙げるとすれば、天板部分のデザインが好みを分けるかもしれないという点くらいです。
ゲーム用途にも十分対応でき、普段使いにも適した15.6インチのサイズ感に加え、バックライトキーボードを搭載。
さらに、Core i7・メモリ16GB・SSD+HDDのデュアルストレージ構成とスペック面も充実しています。
記事執筆時点では、税別13万円弱という価格設定となっており、非常にコストパフォーマンスが高いモデルと言えるでしょう。
価格をとにかく抑えたいなら前世代GPU搭載機は選択肢としてはアリ

スペック | |
---|---|
CPU | Core i7-7700HQ |
グラフィック | NVIDIA GeForce GTX 950M (2GB) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD 1TB HDD |
液晶 | 15.6型 フルHDノングレア |
重量 | 約 2.3kg |
とにかく価格を重視して、1円でも安く購入したいという方には、前世代のGPUを搭載したモデルが非常に魅力的です。
たとえば、m-BookのKシリーズであれば、およそ1万円ほど価格を抑えることが可能です。
また、CPU内蔵グラフィックスに比べて、GTX950Mとはいえ専用のグラフィックボードを搭載しているため、その性能差は歴然です。
そのため、「本格的にゲームをする予定はないが、作業の合間にちょっと息抜き程度で楽しめれば十分」と考える方にとっては、コストと性能のバランスが取れた最良の選択肢と言えるでしょう。
マインクラフト(影MODなし)やドラゴンクエストXといった軽めのゲームであれば、快適に動作します。
ゲーミングPCっぽいデザインが苦手な方はPシリーズはおすすめ

スペック | |
---|---|
CPU | Core i7-7700HQ |
グラフィック | NVIDIA GeForce GTX 1050(4GB) |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD 1TB HDD |
液晶 | 15.6型 フルHDノングレア |
重量 | 約 2.6kg |
外観デザインは、3機種の中でも最もシンプルで、質感にも高級感があります。
そのため、「いかにもゲーミングPC」といった雰囲気を避けつつ、高性能なノートPCを選びたい方にはPシリーズがおすすめです。
まとめ
一般的なノートPCにもグラフィックスボードを搭載したモデルがあり、そういった機種を選べばゲームや動画編集も快適に行えます。
とは言え、G-TuneやNEXTGEARブランドのエントリーモデルは特にコストパフォーマンスが高く、価格と性能のバランスに優れているため、購入を検討している方にはぜひおすすめしたい選択肢です。