CPUはパソコンの頭脳とも言える最重要パーツです。ゲームでもCPUの性能が高いと快適性に直結し、より快適にゲームがプレイ出来ます。
その他にも様々な処理に関してCPUの処理能力が高いと作業が快適に行えます。
CPUのメーカー
CPUはIntel社と、AMD社がそれぞれ出しています。どちらかのメーカーのCPUではないとゲームがプレイ出来ないという事は無いので価格や性能で選びましょう。
Intel CPUの特徴
インテルは世界最大のCPUのメーカーです。CMでも『インテル、入ってる』と放送しているので知っている方は多いと思います。
第12世代以降ハイブリット・アーキテクチャー採用モデルが登場
Intel CPUにはPコア(Performanceコア/性能重視)とEコア(Efficientコア/効率重視)が第12世代から搭載されています。
負荷の高い処理をPコアが行い、優先度の低い処理をEコアが担当します。
負荷に応じて2種類のコアに処理が振り分けられるため、ユーザーが最優先に行いたい作業をバックグラウンド処理に邪魔される事なく、優先的に処理可能な点が画期的です。
デスクトップPC向け新CPU「Core Ultra 200S」が発表
2024年10月11日に、デスクトップPC向け新CPU「Core Ultra 200S」が発表されました。ゲーム性能は前世代(インテル第14世代)とあまり大差ないようですが、消費電力の改善が大きいとの事です。
Core i9-14900Kで250W消費する所を、Ultra 9 285Kならば125Wで実現するとの発表があるので、低消費電力とCPU温度の低下が魅力の最新CPUです。
AMD CPUの特徴
インテルに負けない充実したラインアップで魅力的なAMD社のCPU。
AMDではZen4アーキテクチャーのRyzen 7000シリーズとZen3アーキテクチャーのRyzen 5000シリーズが主力モデルです。
Ryzen 7000シリーズは製造プロセスが5nmに微細化、動作周波数向上、L2キャッシュの倍増などが進化。Ryzen 5000シリーズと比較すると大幅な性能向上を果たしています。
最新のRyzen 9000シリーズは前世代比で熱抵抗が15%改善し、発熱量が7%下がっているとの発表があるので、低消費電力、低温度が特徴の最新CPUです。
CPUのスペックや性能の読み取り方を解説
製品名 | Core i7-14700K |
---|---|
コア数 / スレッド数 | 20(8P/12E)コア/ 28スレッド |
動作クロック | 3.4 GHz |
最大クロック(TB時) | 5.6 GHz |
3次キャッシュ | 36MB |
Core i7-14700Kを例として見てみます。
Core i7-14700K:先頭のCore i7はブランド名です。14700Kが型番で、厳密にいうと14700とKに分かれるのですがこの数字が大きいほど基本的に性能が高いです。
先頭のブランドがCore i9かCore i7かCore i5かでまずブランド名が分かります。下の製品名の数字を見ると性能が高いか低いかが把握出来ます。
おすすめのブランドの選び方
- Core Ultra 9 / Core i9 / Ryzen 9は最高性能が欲しい方におすすめ
- Core Ultra 7 / Core i7 / Ryzen 7は動画編集やゲームを快適にプレイしたい方におすすめ
- Core Ultra 5 / Core i5 / Ryzen 5は性能とコストを重視したい方におすすめ
ゲーミングPCで人気のモデルはCore i7 / Ryzen 7搭載モデルです。動画編集や3Dゲームを快適にプレイ出来る性能を持っているので、選ばれる方が多いブランドになります。
次点でCore i5 / Ryzen 5を選ばれる方も多いです。趣味の動画編集、ゲーム、ビジネス用途で使いたい方に選ばれる傾向があります。コストと性能のバランスが優れていて人気も高いです。
最後にCore i9 / Ryzen 9は、クリエイターの方が業務レベルで必要な場合や、最高性能を求める方に選ばれる傾向があるブランドです。
仕様の解説
- クロック周波数 3.4GHz(最大5.6GHZ):一秒間に発信する回数です。この数字が高い程基本的に性能がいいです。
- 20コア28スレッド:コアとスレッドは多い程性能があがる。コアは物理的だけどスレッドは仮想な技術なのでコアの方が処理は速い。
- キャッシュ36MB:キャッシュはCPUの記憶領域です。CPUの内蔵メモリ容量が増えるとデータを多く持てるようになります。
- HT:ハイパースレッディングの略で1 個 のプロセッサー・コアを 2 個あるかのように見立てることで、より多くの処理を同時に実行できるようにした技術
- TB:ターボブーストの略で必要なときに動作周波数を引き上げて文字通りターボ状態にする事が可能な技術
- P(Performance)コア:性能重視のコアでゲームやアプリで高い性能を発揮する
- E(Efficient)コア:優先度の低いバックグラウンド処理を担当する
仕様を見る際にはクロック周波数が高いか低いかを見ましょう。性能が高い、低いの目安になります。
コア数が多くなると処理の高速化が見込めます。スレッドは仮想技術(ハイパースレッディング)のためコアの方が重要度が高いです。
キャッシュはCPUに内蔵するメモリの事です。インテルCPUには第12世代からPコアとEコアが採用されているので、スペックを見る際には注目点になります。
Coreiシリーズの世代
発売年 | 世代 | コードネーム |
---|---|---|
2009年 | 第1世代 | Nehalem |
2011年 | 第2世代 | Sandy Bridge |
2012年 | 第3世代 | Ivy Bridge |
2013年 | 第4世代 | Hasewell |
2015年 | 第5世代 | Broadwell |
2015年 | 第6世代 | Skylake |
2017年 | 第7世代 | Kaby Lake |
2017年 | 第8世代 | Coffee Lake |
2018年 | 第9世代 | Coffee Lake Refresh |
2020年 | 第10世代 | Comet Lake |
2021年 | 第11世代 | Rocket Lake |
2021年 | 第12世代 | Alder Lake |
2022年 | 第13世代 | Raptor Lake |
2023年 | 第14世代 | Raptor Lake Refresh |
2007年から10年続いた4コア時代が終焉を迎え、メニーコア時代の幕開けが昨今のCPUトレンドです。
第12世代の特徴としては、Core i9-12900Kは16コアを採用、Core i7-12700Kは12コアを採用。高性能のPコアと高効率のEコアという2種類を組み合わせたCPUという特徴があります。
第13世代の特徴としては、第12世代から導入されたIntel Thread Director(Windows 11のスケジューラと連動して効率よくPコアとEコアに割り当てる仕組み)が強化されており、機械学習の仕組みを利用して精度を向上。
第14世代の特徴としては、第13世代のリフレッシュ版という位置付けで、性能が微増しています。基本的に据え置きなPコア/Eコア数ですが、Core i7-14700KはEコアが4基増加しています。
Core i7とCore i5のゲームにおける違いは?
ざっくり言うと、Core i7とCore i5では搭載しているGPUによってはゲームにおける違いはあまり感じません。
ゲーム用途だけ絞ればCore i5やRyzen 5+ミドルレンジ(例:RTX 4060)などの組み合わせはコスパに優れています。
ただ、最近のゲームはマルチコアに対応している場合も多く、動作クロックもコア数も高いので、高性能GPUと組み合わせるならCore i7 / Ryzen 7の方がおすすめです。
ミドルレンジの場合にはGPUボトルネックが出る
先にGPU(グラフィックボード)の性能の限界が来てしまう場合には、Core i7を搭載していてもCore i5と同じ程度のフレームレートしか出ないという場合もあります。
ただ、GPUボトルネックが発生しないような場合にCPUの性能が出てくる傾向はあります。
例として画質設定を最大まで高めた状態でのゲームプレイではCPU性能の差を感じにくい傾向にあり、画質設定を下げた状態でのゲームプレイではCPU性能の差を感じやすいです。
普通に遊ぶ分には気にしなくても、FPS値を稼ぐ為に低画質でとにかくフレームレートを稼ぎたいという場面ではCPU性能が高い方がかなり有利に働く傾向があります。
プロゲーマーの方のセッティングを見ると、出来るだけ設定を下げてフレームレートを確保しています。
こういうようなセッティングの場合にはCPU性能の高さが重要になります。Core i5とCore i7とでは伸びが違くなるゲームが多いです。
CPUとグラフィックスボードのバランスが重要
性能が高いグラフィックボードを使っている場合には性能を引き出す為にCPU性能もそれに合わせて上げていくのがバランスの取れた構成になります。
例えばRTX 4090にCore i3を組み合わせた場合には性能が発揮出来ない可能性が高いです。
GTX 1650とCore i9 / Ryzen 9を組み合わせた場合には、性能は引き出せますがCore i5 / Ryzen 5でも十分引き出せるのでCore i5 / Ryzen 5でも良いという具合になります。
その中間層の決め方に関しては基本的にはCore i7 / Ryzen 7を選ぶと性能は引き出せるので、性能の高いCPUとグラフィックスボードの組み合わせはおすすめになります。
グラボ交換するならCPU性能が高い方がおすすめ
グラフィックスボードの交換を視野に入れているのであればCPUの性能が高い製品がおすすめです。CPUを交換するとなるとほとんどの方はゲーミングPCを買い替えます。
色々規格も変わっていますし、総取っ替えになってしまうのでラフィックスボードの交換を視野に入れているのであれば、CPU性能が高い製品がおすすめになります。
CPUの性能が低いとグラフィックボードの交換をした際にボトルネックになってパフォーマンスが出ないという可能性が高いです。
グラボ交換に関してはミドル辺りを想定しています。ハイエンドカードだと数年後にグラボ交換してもCPU性能的に100%引き出せない場合が多いと思うので、理解していればOKですが、買い替えというのも現実的になります。
また、シューターゲームでフレームレートをとにかく稼ぎたいという用途の場合には、最新CPUの方が比較するとフレームレートは出るので、シューターゲームがメインという方で常に最高のパフォーマンスを求める方は買い替えというのも現実的になります。
まとめ
最新ゲームの推奨スペックを見てもオンラインゲームに関しては最新高性能CPUを指定している場合もありますが、一般的な最新ゲームでは2~5世代前のCPUを指定していたりします。CPUは問題無くてもグラボの方はネックになるケースが多いというのが実情です。
最新ゲームの推奨スペックについてはまとめています。気になる方はCPUの項目をチェックしてみて下さい。
また、CPUは性能が高いとその分冷却対策も場合によっては必要になります。CPUクーラーやグリスのカスタマイズも検討してみて下さい。
実況や配信でもCPU性能は高い方がおすすめです。Core i5/ Ryzen 5でコスパを重視するのもOKですがフレームレートで伸び悩んだり、カクついたりする場合もあるのでそこは注意が必要です。