
「応答速度0.03msのOLEDに買い替えたのに、敵を目で追うと輪郭がブレて見える」
この違和感の原因は、映像の表示のしかたにあります。残像を減らすために見るべきスペックもまとめました。
OLEDでも残像が見えるのは、同じ映像を表示し続けるから

0.03msは、画素が色を切り替える速さ(GtG)を表す数値です。OLEDはこの切り替えがほぼ一瞬で終わります。そのため、液晶で目立ちやすい「色の切り替えが遅いことによる残像」はほとんど出ません。
それでも残るのが、ホールド表示による残像感(モーションブラー)です。
OLEDも液晶も、次のフレームが届くまで同じ映像を表示し続けます。
そのあいだも、目は動く敵を追いかけています。止まった映像の上を視線が流れるので、網膜上で像が横に引き伸ばされ、ブレて見えます。
つまり残像感の大きさは、画素の速さよりも1枚の映像を表示している時間で決まります。
リフレッシュレートが高いほどブレは小さくなる

| リフレッシュレート | 1フレームの表示時間 | ブレ幅の目安 |
|---|---|---|
| 60Hz | 約16.7ms | 約17ピクセル |
| 120Hz | 約8.3ms | 約8ピクセル |
| 144Hz | 約6.9ms | 約7ピクセル |
| 240Hz | 約4.2ms | 約4ピクセル |
| 360Hz | 約2.8ms | 約3ピクセル |
| 480Hz | 約2.1ms | 約2ピクセル |
60Hzで約17ピクセルにじんでいた映像が、240Hzでは約4ピクセルまで短縮します。
この表は、fpsがリフレッシュレートと一致している場合の理論値です。応答速度の0.03msは計算に含まれていません。
OLEDの0.03msは、画素が色を切り替える速さです。色の切り替えによる残像は非常に少ないものの、動く物体を目で追ったときのブレは残ります。
NVIDIAが公開した144Hz・240Hz・500Hzの比較映像です。リフレッシュレートとfpsが高くなるほど、動くキャラクターの表示が滑らかになり、動きを追いやすくなる様子が確認できます。
240Hzのモニターでも60fpsなら60Hzと同じくらいブレる
240Hzのモニターでも、ゲームが60fpsで動いていると、同じ映像が4回続けて表示されます。
1枚の映像が約16.7ms表示されるため、動く物体を目で追ったときのブレは60Hzのモニターと同程度になります。
つまり、動きの鮮明さを高めるには、リフレッシュレートだけでなく、実際のfpsも重要です。
応答速度とリフレッシュレートの違い
2つの数値は、それぞれ別のものを表しています。
| 項目 | 応答速度 | リフレッシュレート |
|---|---|---|
| 単位 | ms | Hz |
| 表すもの | 画素が色を切り替える速さ | 1秒間に画面を書き換える回数 |
| 数値の見方 | 小さいほど速い | 大きいほど滑らか |
| 影響する残像 | 色の切り替えによる残像 | ホールド表示による残像感 |
応答速度0.03ms / 240HzのOLEDの場合、画素の色は約0.03msで切り替わります。画面の書き換えは約4.2msごと、1秒間に240回です。
OLEDは応答速度ですでに十分速いので、残像を減らす次の手はリフレッシュレートとfpsを上げることになります。
GtGとMPRTは別の指標
| 指標 | 表すもの |
|---|---|
| GtG(Gray to Gray) | 画素がある明るさから別の明るさへ変わるまでの時間 |
| MPRT(Moving Picture Response Time) | 動く映像がどれだけブレて見えるかに関わる、見かけ上の表示時間 |
OLEDの「0.03ms」はGtGの公称値です。液晶モニターでよく見る「1ms(MPRT)」とは測っているものが違います。比べるときは、GtGはGtG同士、MPRTはMPRT同士で比べましょう。
残像を減らすモニター選びと設定
残像を減らしたいならリフレッシュレートが高いモデルを選ぶ
同じリフレッシュレートなら、色の切り替えが速いOLEDのほうが液晶より動きが鮮明に見えます。海外の実測レビューでも、240HzのOLEDは300Hz以上の液晶に近い鮮明さと評価されています。
FPSなどの対戦ゲームなら240Hz以上が目安です。動きの鮮明さをとことん突き詰めたい人は、360Hz以上も候補に入れましょう。
高Hzモニターを生かすにはfpsを出せるPCが必要
240Hzのモニターを生かすには、遊ぶゲームで240fps前後を出せるPCが必要です。モニターだけ高Hzにしても、fpsが低いままだとブレ方は変わりません。
モニターを買い替える前に、今のPCで何fps出ているかを確認しておくと、ムダな出費を避けられます。
黒い画面をはさむ「黒挿入(BFI)」でもブレを減らせる
映像と映像のあいだに黒い画面をはさみ、1枚の表示時間を短くするのが黒挿入(BFI)です。ASUSのOLEDモニターには、ELMBという名前でこの機能を載せた製品があります。

出展:ELMB技術による超シャープで残像の少ないゲーミング映像の実現方法
fpsを上げにくい重いゲームでも動きを鮮明にできる一方で、画面が暗くなるといった制約もあります。
まとめ
- 0.03msは画素の切り替え速度で、残像感の量は1枚の映像の表示時間で決まる
- 残像感を減らす決め手は、リフレッシュレートと実際のfpsの両方を上げること
- GtGとMPRTは別の指標なので、同じ指標同士で比べる
OLEDの0.03msはとても優秀な性能です。
そのうえで、高いリフレッシュレートと、それに見合うfpsを出せるPCをそろえると、動く敵をくっきりと目で追えるようになります。



