
RTX 50 SUPERシリーズについて、2026年2月に書いた記事を半年ぶりに見直しました。
結論から言うと、「VRAMが50%増える」という話自体は、今もほとんど変わっていません。 変わったのは発売時期の見通しと、その理由です。
そして半年考えた結果、この記事で一番書きたいことも変わりました。
RTX 50 SUPERがどうなるか、ではありません。あなたがRTX 50 SUPERを待つ必要があるのか、です。
今はグラボだけじゃなく、メモリもストレージもPC本体も価格が上がっています。その中で「今買うか、待つか」を決めるには、スペック表を眺めても答えが出ません。
なので今回は、報道ベースの事実を整理したあと、自分が16GBのGPUを使っていて実際どうなのかまで書きます。
RTX50SUPERシリーズ予想スペック一覧
VRAM 50%増は、そのままです。2月の時点から全く変わっていません。
| モデル | CUDAコア | VRAM | メモリバス幅 | TGP |
|---|---|---|---|---|
| RTX 5080 SUPER | 10,752 | 24GB | 256 bit | 415 W |
| RTX 5080 | 10,752 | 16GB | 256 bit | 360 W |
| RTX 5070Ti SUPER | 8,960 | 24GB | 256 bit | 350 W |
| RTX 5070 Ti | 8,960 | 16GB | 256 bit | 300 W |
| RTX 5070 SUPER | 6,400 | 18GB | 192 bit | 275 W |
| RTX 5070 | 6,144 | 12GB | 192 bit | 250 W |
※すべて未確定のリーク情報にもとづく統合データです。実際の製品仕様とは異なる可能性があります。
16GB → 24GB。12GB → 18GB。きれいに1.5倍ですね。
仕組みは新しい3GB GDDR7メモリチップです。これまでのGDDR7は1枚2GB。それを1枚3GBの高密度品に置き換えることで、基板に載せるチップの枚数を変えずに容量だけ1.5倍にできます。
4月19日には、MicronがこのGDDR7を公開カタログに追加しています。28GT/s品は「Production(量産)」、32GT/s品は「Sampling(試作提供)」という掲載でした。ただし、これがRTX 50 SUPERのロードマップ変更を示すものではないとも書いています。
チップは存在している。ここは押さえておきます。
表で見ておきたいのは、VRAM以外がほとんど動いていない点です。
RTX 5080 SUPERのCUDAコアは10,752基で現行と同数。5070 Ti SUPERも8,960基で同数。差があるのは5070 SUPERの6,144→6,400(約4%増)だけです。メモリバス幅も256 bit / 192 bitのまま。容量は1.5倍でも、帯域幅(データの通り道の太さ)は変わりません。
つまり増えるのは、ほぼ容量だけです。
RTX 5060 SUPER発売の可能性も?
2月時点ではあまり話が出ていなかったところです。
6月5日にハードウェアリーカーのMEGAsizeGPUが「SUPER計画が再び動いている」と投稿し、Tom’s HardwareとVideoCardzが報じました。
従来の3モデルに加えて、12GBのRTX 5060またはRTX 5060 SUPERも計画に含まれているという内容です。現行のRTX 5060は8GBなので、ここが12GBになるならエントリー帯としては効きます。
ただ、現時点で予想の中心になっているのは、今のところ5080 SUPER / 5070 Ti SUPER / 5070 SUPERの3モデルです。
TITAN BlackwellとRTX 60シリーズは、この記事から外しました
2月版には両方入れていましたが、今回は削っています。
TITAN Blackwellは出る可能性自体はあると思います。ただRTX 50 SUPERを検討している人にはほぼ関係のない話ですし、買う人もかなり限られます。
RTX 60シリーズも同じです。SUPERを待つくらいならRTX 60まで考えてもいいのでは、という発想は分かります。でもかなり先の話です。RTX 50 SUPERが出て、半年くらい経ってから考えても遅くありません。
2026年中の発売は、かなり厳しそうです
2月の時点でも「2026年中は難しいのでは」と書いていました。半年経った現在、その見立ては変わっていません。むしろ状況がはっきりしてきました。
7月17日、VideoCardzが独自情報として次の2点を報じています。
- 少なくとも1社のNVIDIAボードパートナー(グラボを製造するメーカー)に、RTX 50 SUPERのカードが届いている
- NVIDIAが製品を保留するよう通知し、新しい発売予定日は示していない
発売時期については、6月8日にVideoCardzがBenchLifeの情報として「早くても2027年初頭、CES 2027」と報じています。ただしVideoCardz自身は、NVIDIAの更新されたロードマップ情報はなく、発売時期も確定していないと説明していました。
7月17日時点でも、新しい発売予定日は出ていません。
2027年初頭に出るのか、それすらまだよく分からない。それが現在地です。
なお、7月7日には電源メーカーSeasonicの電力計算ツールに5080 SUPER / 5070 Ti SUPER / 5070 SUPERの3モデルが掲載され、TGPが415W / 350W / 275Wと表示されていました。VideoCardzとTom’s Hardwareが報じています。両媒体とも、NVIDIAによる正式確認ではないと明記していました。
現行から25〜55W増える計算なので、載せ替えを考えている人は電源も見ておきたいところです。
ここからは自分の話です。
少なくとも今の自分の使い方で24GBが必要かと言われると、必要ありません。16GBのVRAMを搭載したGPUを使っていますが、全然困っていない、というのが正直なところです。
むしろ欲しいのはシステムメモリのほうです。
今32GBなので、64GBにしたい。動画編集ソフトを立ち上げながら画像編集ソフトを使って、さらに素材を探して、AI音声ソフトも立ち上げる。この「ながら作業」がかなり多いんですね。
引っかかるのはVRAMじゃなくてメモリ容量のほうです。今の使い方なら、メモリを64GBにしたほうが確実に幸せになれると思っています。
ゲームについても同じです。いろいろプレイしていますが、VRAMが原因で挙動がおかしくなったり、困ったりすることはほとんどありません。16GBあれば、ゲーム用途としてはかなり余裕があります。
もちろん今後は分かりません。4Kモニターも持っていますし、ゲーム開発の勉強もしています。Unreal Engineを本格的に使うようになったり、ローカルLLMでAI開発をしたりすれば、VRAMが足りなくなる可能性はあります。
ただ現時点では困っていない。だから僕はSUPERを待っていません。
24GBを本当に活かせる人は、かなり限られます
自分の話だけだと偏るので、24GBが効く場面も書いておきます。
ゲームで言えば、極端な条件のときです。
『サイバーパンク2077』や『バイオハザード9』のような非常に重いゲームを、高解像度かつパストレーシングを含む最高設定でMODありで動かす。こういう条件なら24GBが欲しくなることはあると思います。逆に言うと、そこまで振り切らないと16GBは埋まりません。
4Kでパストレーシングまで使う人が、どれくらいいるか。ここが判断の分かれ目です。
制作系なら話は別です。
Blenderを仕事で使っている人、3DCG、Unreal Engineを本格的に触っているプロの方。このあたりは用途によって16GBでは足りない人がいます。生成AIも、扱えるサイズの上限がそのままVRAM容量で決まります。
ただ、そういう人なら、SUPERを待つよりRTX 5090も含めて今考えたほうがいいと思います。仕事で使うなら待っている時間そのものがコストなので。
一方で、単純に「性能が足りないからSUPERを待つ」というのであれば、SUPERはスキップして現行モデルを買っていいです。
SUPERはfpsを上げるカードじゃないという予想が濃厚なので、性能不足の解決にはなりません。ゲーム用途なら、現行モデルにも十分なVRAMを積んだモデルがあります。
RTX 5070 SUPERの18GBは、どう見るか

RTX 5070を狙っている人にとっては、ここが一番迷うところだと思います。
現行の5070は12GB。SUPERで18GBになります。12GBだと最近のゲームで少し心もとない場面があるので、この差は実際に効きます。RTX 5070狙いの人がSUPERを待つのは、5080クラスより理にかなっています。
ただ、これも結局は価格次第です。
もし5万円、10万円と上がってしまうなら、「それならRTX 5070 Tiを買えばいいじゃん」という話になります。5070 Tiは16GBで、CUDAコアも8,960基。5070 SUPERの6,400基より素の性能で上です。
16GBと18GBの差は、もちろんゼロではありません。16GBをちょっと超えるような使い方をしているなら、18GBには意味があります。
でも実用上どこまで大きいかというと、かなり微妙なところです。2GBの差に価格差をどこまで払えるか、という話になります。
24GBについても同じで、結局は「何に使うのか」次第ですね。
フレーム生成があるので、VRAMだけで体験は決まりません
もう一つ、判断材料として置いておきたい話です。
理想は、フレーム生成を使わずに高いfpsを出せることです。低いfpsから無理やり引き上げれば、入力遅延や映像の違和感が出る可能性もあります。
ただ現実的に考えると、フレーム生成なしで30fpsなのと、フレーム生成で100fps近くまで伸ばせるのなら、後者のほうが快適に感じる人は多いと思います。
こういう技術があるので、GPUの素の性能とVRAM容量だけでゲーム体験が決まるわけでもありません。ここも「SUPERを待たなくていい」側に働く要素です。
個人的に一番避けたいシナリオ

仮にRTX 50 SUPERが現行と同じくらいの価格で出て、VRAMだけ増えるのであれば、当然SUPERのほうがいいです。それは間違いありません。
問題は、それが読めないことです。
例えばRTX 5080 SUPERが24GBで出たとして、RTX 5080より10万円高い。そうなったら「だったらコスパを考えてRTX 5080でいい」となる人が多いはずです。
しかも、その頃には現行のRTX 5080自体の価格まで上がっている。
これが一番避けたいシナリオです。待った結果、SUPERは高すぎて選べず、現行モデルも今より高くなっている。半年待って選択肢が減るだけ、という形ですね。
もちろん価格がどうなるかは分かりません。ただ少なくとも現時点で「これからPCの価格が大きく下がっていく」とは考えにくい状況です。
数年使う前提でも、16GBはかなり安心できます
2年後、3年後にとんでもなくVRAMを使うゲームが出る可能性は、もちろんゼロではありません。
ただ、24GBが必須になるようなゲームを出しても、動かせるユーザーがかなり限られてしまいます。 開発側がそこに合わせてくる理由がありません。現在の基準を考えると、RTX 5070クラスでも12GBです。
16GBを選んでおけば、ゲーム用途なら少なくとも今後数年間はかなり安心して使えると思います。
24GBが重要になってくるのは、やっぱりゲーム以外の用途ですね。ゲーム制作、3DCG、大規模な動画編集、ローカルAI。このあたりです。
普段僕がやっているような動画編集や、一般的な情報収集・コンテンツ制作くらいであれば、今のところ16GBでまったく困っていません。
今のPCが厳しいなら、現行モデルを買っていいです

もし今使っているPCで最新ゲームが本当に厳しいのであれば、現行モデルを買ってしまうのは十分ありです。
最新ゲームを最低設定にしないと動かない。あるいは最低設定でも厳しい。そういう状況なら、SUPERを待つメリットより、今のPC環境を改善するメリットのほうが大きいです。
特にフルHDで遊んでいる人なら、VRAMが16GBから24GBになっても恩恵はかなり限定的です。ここで半年以上待つのは、得られるものと待つ時間が釣り合いません。
それと、値上がりはVRAMだけの話じゃありません。メモリも電源も上がれば、BTOパソコン全体の価格が上がります。価格を最優先する人ほど、現行モデルを今買ったほうがトータルで良くなる可能性があります。
まとめ
2026年8月時点で分かっていることを並べておきます。
- VRAM 50%増(16GB→24GB / 12GB→18GB)という予想は、2月から変わっていない
- カードは完成してボードパートナーに届いていると報じられた
- 最短で2027年初頭・CES 2027という報道はあるが、確定ではない
- 増えるのはVRAM容量だけ。CUDAコアとメモリバス幅は据え置き
- TGPは415W / 350W / 275Wとされ、現行から25〜55W増
そのうえで、判断基準はひとつだけです。
24GBや18GBのVRAMが、本当に自分に必要なのか。
ゲームがメインなら、VRAM 16GBで数年は戦えます。価格が読めない以上、待つ側の期待値もそこまで高くありません。
自分に必要かどうかを確かめるなら、いま一番ストレスを感じている瞬間を思い出してみて下さい。
待つべきか、それとも現行モデルを買うべきか、はたまたメモリを買い足すべきなのか。おのずと分かると思います。
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