
「RadeonでDLSS 5が動いた」という話を見て、手元のRX 9070 XTやRX 7900 XTXでも試せるのか気になった方は多いと思います。
この記事では、何が動いたのか、実際にどれくらいの性能なのか、そして今試すべきかどうかをまとめています。
結論:動作はしますが、様子見が安全
- 性能低下が大きく、RX 9070 XTでもフルHD 30fps前後にとどまる
- 黒画面やクラッシュの報告が複数出ている
技術的な内容としてはかなり面白いです。ただ、現実的に快適動作を実現するには厳しいと思います。
何が起きた?
開発者のdanielblnc氏がGitHubで公開した「DLSS-NR on AMD」は、NVIDIAのDLSS 5 Neural RenderingをAMD Radeon上で動かす非公式のツールです。
動作条件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Windows 11 |
| API | DirectX 12 |
| ゲーム | FSR 3 / FSR 4対応タイトル |
| GPU | Radeon RX 9000シリーズ(RX 9070 XTで検証) |
| ドライバ | 新しめのAdrenalin |
| 必要ファイル | 自分で用意した nvngx_dlssnr.dll 310.8.0.0 |
| 動作確認タイトル | Cyberpunk 2077 / GTA V Enhanced |
導入方法は、ゲームの実行ファイルがあるフォルダ(Cyberpunk 2077なら bin\x64)にセットアップ用のexeとDLLを置き、ゲーム内でFSRを有効にするという流れです。ゲーム中にEndキーを押すと設定用のオーバーレイが開き、モードやトーンの強さなどを調整できます。
アンチチート機能が動いているタイトルでは、DLL自体がブロックされます。Vulkan対応は今後の予定とされています。
4Kでは61fpsから9fpsへ
海外メディアのPC Gamerが、RX 9070 XTで実際に検証しています。条件は Cyberpunk 2077 / 4K / レイトレーシングUltra / FSR 4 Balanced です。
- DLSS Neural Rendering オフ:61fps
- DLSS Neural Rendering オン:9fps
約85%の低下です。同メディアは導入時に黒画面が発生してドライバを戻す作業が必要になったこと、Steam経由ではなくexeを直接起動した場合のみ動作したこと、その後もクラッシュが起きたことも報告しています。
グラボのドライバーエラーになって困ったら、DDUを使用して削除がおすすめです。以下の記事で紹介しているので、参考にしてください。

RX 7000シリーズは動作報告とクラッシュ報告が混在
READMEが対象として挙げているのはRX 9000シリーズで、RX 7000については未検証・報告募集中という扱いです。実際にGitHubのIssuesには、両方の結果が上がっています。
| 環境 | 結果 |
|---|---|
| RX 7900 XTX / Crimson Desert / 4K HDR / FSR 4 Ultra Performance | 5〜10fpsで動作 |
| RX 7900 XT / Cyberpunk 2077 | クラッシュ |
| RX 7600 / Escape from Tarkov | 起動に失敗 |
| RX 6600 | 非対応 |
RX 7900 XTXで動いた例では、報告者自身が「動くけれど遊べる状態ではない」という趣旨のコメントを添えています。RDNA 3世代でも処理そのものは通る場合がある、という段階だと考えるのが実態に近そうです。
なぜRadeonでもDLSS 5が動くのか
Radeonには行列演算用の回路が載っていないから動かない、と説明されることがありますが、これは現行世代には当てはまりません。
AMD公式が公開しているRX 9070 XTの仕様は次のとおりです。
| 項目 | RX 9070 XT |
|---|---|
| AIアクセラレータ | 128基 |
| FP16 Matrix | 195 TFLOPS |
| FP8 Matrix | 389 TFLOPS |
| FP8 Matrix(Sparsity有効) | 779 TFLOPS |
RDNA 4は第2世代のAIアクセラレータを搭載し、FP8(最新のAI学習や推論で採用が広がっている8ビット浮動小数点形式)という低精度の行列演算に新しく対応しました。
FSR 4もこのFP8の演算をハードウェアで処理しています。つまりAI処理を回す土台は用意されています。
差が出るのは最適化の部分です。DLSS 5はGeForce向けに設計&調整された処理で、それを別アーキテクチャで動かせば動作としては当然劣悪になります。
RX 7000世代で特に重くなる理由も、FP8への対応が入っていない点にあるという見方が多いです。
画質については、開発者が「公式のDLSSにかなり近い出力になるが、100%機能していない効果も残っている」と説明しています。同等品質ではなく、ひとまず動いたという段階です。
NVIDIA・AMDの正式対応とは別物
DLSS 5は2026年9月3日にNBA 2K27で正式に登場した機能で、対応はGeForce RTX 50シリーズに限られています。
2026年9月4日には、RTX 40シリーズへの展開をNVIDIAが今後の対応予定として認めたので、時期は未定なもののRTX 40シリーズも正式に選択肢に入る形になります。
今回のRadeonの話は、あくまで有志が作った非公式ツールが動いたという内容です。

まとめ
非公式のMODによって、DLSS 5 Neural RenderingがRadeon上で動きました。
ただ、実際に遊べる状態かというと、厳しい状態のようです。4K+レイトレーシングUltraでの検証では61fpsから9fpsまで落ち込み、導入時には黒画面やクラッシュも起きています。
RX 7900 XTXで動いたという報告も5〜10fps程度で、RX 7900 XTではクラッシュが報告されています。
DLSS 5の公式対応は、現状GeForce RTX 50シリーズに限られています。今回の話はあくまで有志が作ったツールで動いたという内容なので、購入判断の材料として扱うのは避けた方が安全です。
DLSS 5を正式な形で使いたい場合は、RTX 50シリーズを搭載したPCが選択肢になります。対応GPUの詳細は別記事で解説しているので、そちらも参考にしてみて下さい。



出典:DLSS-NR on AMD(GitHub)、PC Gamer: Me: You can now run DLSS 5 on AMD GPUs. My RX 9070 XT: Please stop, it hurts us

