今回はPCゲームの中でも人気が高いジャンルである『FPS』『TPS』と言ったシューターゲームに焦点を当ててGTX1660Tiの性能はどの程度通用するのかという部分を調査、検証していきたいと思います。
シューターゲームの人気作品は執筆時だと『ApexLegends』『フォートナイト』『PUBG』になります。なのでこの3つのPCゲームのスペックを満たしていればGTX1660Tiでシューターゲームを満喫する事ができると言えるでしょう。
他にも人気シリーズの『コールオブデューティー』からはCOD:BO4、『バトルフィールド』の最新作品であるBFV、根強い人気を誇る『レインボーシックスシージ』に『オーバーウォッチ』、更に最新の中量級寄りの重量級に分類する事ができるシューターゲームの『ディビジョン2』、最重量級タイトルの『メトロエクソダス』の計9作品を調査してみました。
GTX1660Tiの高画質ゲーミングを主体としての性能評価についてはGeForce GTX 1660Tiのベンチマークを20タイトル以上で計測で書いているので画質設定を高めた場合の重量級ゲームの対応力や解像度を高めたゲームプレイという部分についてチェックしたい方は参考にしてみて下さい。
PCにおけるシューターゲームとは?
FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム:一人称視点)やTPS(サードパーソン・シューティングゲーム:三人称視点)というジャンルでは144Hzや240Hzと言った高リフレッシュレートを採用したゲーミングモニターが主に使用されます。このような高リフレッシュレートのモニターの性能を十分に発揮させる為には高性能なゲーミングPCが必要になります。
モニターのスペック表に垂直走査周波数という記載があります。これがリフレッシュレートの事です。1秒間に画面を何回リフレッシュすることができるかという数値です。60Hz程度が一般的なモニターのスペックですが、ゲーミングモニターの場合には144Hzや240Hzなど高い性能を誇ります。
パラパラ漫画を想像してみて下さい。1秒間で60回めくられるのと1秒間で144回、240回など回数が多い方が描画が滑らかになる事が想像できるでしょう。
PCゲームでは画質設定を変更する事ができます。画質設定を最大まで下げてフレームレートを確保する事に重点を置いた場合には性能的な負荷が下がりますのでスペック的な動作要件を引き下げる事が可能になります。
FPS用のおすすめゲーミングPC、ゲーミングPCのグラフィックボードの選び方この辺りの記事も読んで頂けると理解が深まるかもしれません。
例えばApexLegendsで画質設定を最大まで下げて運用する場合には設定オプションからアドバンスという項目の全ての値を左に下げればOKです。そうする事で画質は犠牲になりますが、フレームレートを確保する事が容易になるので高リフレッシュレートを採用したゲーミングモニターの性能を活かす事ができます。
プロゲーマーでも実際に設定は下げています。ですので設定を下げた状態でのフレームレートも気にされるのが良いでしょう。
以下では具体的な数値を記載しておりますが、見方が分からないという方もいるでしょう。高い画質設定よりも大多数の方にとって競技性の高いシューターゲームでは上述の通り低い画質設定で運用される方が多い傾向はあります。
高グラフィックな映像体験としての側面もシューターゲームは持っています。特にFPSはファーストパーソン・シューティングゲームなので一人称視点での臨場感の高いゲーム体験という側面が強いです。
ゲームに求める事がグラフィックの高い映像体験としての用い方をする場合には画質設定が高い状態でのフレームレートの数値を気にされるのが良いでしょう。
4K / HDR / リアルタイムレイトレーシングの実機
更に最新のグラフィック表現に期待される方は4K解像度やHDR(ハイダイナミックレンジ)、リアルタイムレイトレーシング(光が物質に当たったときの自然な反射、屈折を考慮して光線の経路をリアルタイムに計算する手法の事)と言った最新のテクノロジーを期待した選び方というのも選択肢として用意されていますがGTX1660Tiより高スペックなグラフィックボードが必要になる点には注意が必要です。
検証機材
検証機材はBTOのゲーミングPCで執筆時で採用される事の多い構成内容を元にしています。
CPU | Core i7-8700 |
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GPU | GTX1660Ti |
メモリ | 16GB |
NVIDIAグラフィックスドライバーのバージョンは『419.35』。計測ツールとしてFrapsのバージョンが『3.5.99』を用いています。では早速実際のゲームのベンチマークやフレームレートを使って快適性を数値化した表を見ていきましょう。
ApexLegends
フルHD | 平均FPS(最小FPS) |
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最高 | 76 FPS(48) |
最低 | 120 FPS(101) |
最高設定はアドバンスの項目を一番右に設定し、最低設定はアドバンスの項目を一番左に設定しています。どちらもスカルタウンに降下した際のフレームレートになっています。なので実際のゲームプレイより少し重いフレームレートの計測方法になります。
画質設定を落とす事で安定的なフレームレートを確保する事ができるので144Hzのゲーミングモニターを使用しても快適に動作する性能をGTX1660Tiは持っています。
PUBGのように後に変更がある場合もあるかもしれませんが、確認した限り144FPSキャップとなっていました。
フォートナイト(TPS)
フルHD | 平均FPS |
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エピック | 106 FPS |
高 | 144 FPS |
中 | 251 FPS |
低 | 328 FPS |
場所はダスティディボットで、3D解像度は100%に変更しています。フォートナイトは画質設定を落とせばフレームレートを確保する事は容易です。3D解像度を下げると画質が極端に落ちるので3D解像度は100%にした方がいいでしょう。
中~低設定だと240Hz対応のモニターでも性能を活かせるスペックをGTX1660Tiは持っています。
PUBG
MAP | フルHD | 平均FPS(最小FPS) |
---|---|---|
トレーニング | 非常に低い | 207 FPS(120) |
ERANGEL | 140 FPS(72) | |
MIRAMAR | 151 FPS(109) | |
SANHOK | 103 FPS(53) | |
VIKENDI | 113 FPS(60) |
パラシュート降下した際のフレームレートです。MAPや場所によってもフレームレートの変化は感じるので参考程度に見て下さい。最小FPSで考えると重い所は重いのですが、これだけ平均的に出ていれば高リフレッシュレートのモニターを使用しても実感できるシーンも多いでしょう。
予算に余裕があるのであればRTX2060やRTX2070の方が更に快適に安定的にフレームレートを確保する事ができるので検討してみてもいいでしょう。
BFV
フルHD | 平均FPS |
---|---|
エピック | 87 FPS |
高 | 93 FPS |
中 | 120 FPS |
低 | 144 FPS |
DirectX12、『祖国の為に』の開始地点になります。低設定で運用すれば144Hz対応モニターの性能も活かせるスペックです。
グラフィックが良いゲームですので高画質を求めつつフレームレートも確保したいという需要にはRTX2080だと同様の計測方法を用いてDXR無効で最高設定124FPSを確保する事ができていたので検討する余地もあります。
COD:BO4
フルHD | 平均FPS(最小FPS) |
---|---|
最高 | 122 FPS(60) |
最低 | 183 FPS(102) |
チームデスマッチをプレイした際のフレームレートになっています。最高設定は細部とテクスチャ、影と照明、後処理効果の項目を一番右に設定し、最低設定は一番左に設定しています。
平均すると最高設定時においては高フレームレートが出ていますが、爆発等のエフェクトで劇的にFPS値が下がる場面もありましたので、設定下げ運用が良いでしょう。
レインボーシックスシージ
フルHD | 平均FPS(最小FPS) |
---|---|
最高 | 144 FPS(72) |
高 | 161 FPS(85) |
低 | 235 FPS(137) |
フレームレートはベンチマークの数値になります。レンダリングのスケーリングは100%に変更しています。最小FPSでも低設定だと144Hz対応のモニターのスペックを使う事が出来て、平均ですと240Hz対応のモニター環境でも活かす事ができる数値です。
オーバーウォッチ
フルHD | 平均FPS(最小FPS) |
---|---|
エピック | 86 FPS(71) |
高 | 131 FPS(110) |
低 | 210 FPS(150) |
MAPはEichenwaldeになります。低設定時ですと144Hzのゲーミングモニターが活用可能な数値です。
ディビジョン2(TPS)
フルHD | 平均FPS |
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ウルトラ | 74 FPS |
高 | 98 FPS |
低 | 160 FPS |
フレームレートはベンチマークの数値になります。DX12を有効にしています。デフォルトの設定からの変更点は垂直同期はオフ、解像度の調整は100%に変更しています。
画質設定を下げれば144Hzのゲーミングモニターの性能を活かす事が出来ます。グラフィックが綺麗なゲームですので画質設定を高めてプレイしたい場合においても60FPS以上なので快適です。
メトロエクソダス
フルHD | 平均FPS |
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ウルトラ | 32 FPS(19) |
高 | 54 FPS(29) |
低 | 106 FPS(62) |
フレームレートはベンチマーク実行時の数値になります。
DX12,全ての値のShading Rateを100%に変更。【EXTREME】Texture filtering:AF 16X,Motion Blur:Low,Tesselation:Full,Advanced Physx:On,Ray Trace:Off,DLSS:Off,Hairworks:On【High】EXTREMEと同じ【Low】Texture filtering:AF 4X,Motion Blur:Low,Tesselation:Off,Advanced Physx:Off,Ray Trace:Off,DLSS:Off,Hairworks:Off。
重量級タイトルのメトロエクソダスでは中設定辺りで快適に運用する事ができるフレームレートが出ています。重量級のタイトルも視野に入る性能をGTX1660Tiは持っています。
GTX1660TiのFPS・TPSの性能まとめ
GTX1660Tiで人気のFPS・TPSゲームはフルHD解像度で十分快適に動作します。高解像度でのゲームプレイとなると厳しいかもしれませんが、シューターゲームで高解像度となると対応モニターの価格も高額になります。
ですのでフルHD×144Hzのゲーミングモニター、または240Hzのゲーミングモニターと組み合わせて画質設定を調整しての運用方法がおすすめになります。