マウスコンピューターさんからインテル Arc A380搭載の「G-Tune PL-B-A380」の実機をお借りしたのでレビューをしていきます。
「G-Tune PL-B-A380」は、エントリー向けのGPU「インテル Arc A380」を搭載しているので、中程度の重さのフルHDゲームを楽しむのにおすすめのゲーミングPCです。
具体的なゲーム性能の検証については下記で調査しているので参考にしてみて下さい。
スペック
G-Tune PL-B-A380 | ||
---|---|---|
CPU | Core i5-12400 | |
グラフィック | インテル Arc A380 グラフィックス(6GB) | |
メモリ | 16GB | |
ストレージ | 512GB NVMe SSD | |
無線 | Wi-Fi 6 / Bluetooth | |
ケース | ハンドル付きミニタワー |
外観デザイン
PCケースは指紋が付きにくいマットな質感で、高級感を感じます。コンパクトなサイズとハンドルがケース上部に付いているのがG-Tuneのハンドル付きミニタワー型モデルの特徴的な部分です。
サイズは幅178mm×奥行き395mm×高さ330mmとなっており、実際に見てもミドルタワー型のゲーミングPCの半分程度のサイズ感で非常に小さいです。
カラーはブラックですが、少しグレーっぽいブラックです。
前面上部にはアクセントのLEDがあります。電源を入れると赤色に光ります。
前面右下にインターフェースがあり、上から電源ボタン、USB3.0×2、ヘッドフォン出力×1、マイク入力×1が配置されています。
背面の映像出力端子は「HDMI端子、DisplayPort端子x1」となっています。複数のモニターを繋ぐ方は、2つ端子があるのでデュアルディスプレイは可能です。
底面にはダストフィルターが付いています。ダストフィルターはワンタッチで取り外せてメンテナンス性が高いです。
ダストフィルターは底面をひっくり返す必要は無く、設置した状態で引き抜くだけで簡単にメンテナンスが可能です。
内観
内部は左側面を開けると蓋があります。四角で囲った3点のネジを外すと開閉可能になります。
ネジを外して中を開けると上記画像の位置でロックがかかります。スライドすれば蓋を外す事も可能です。蓋裏にケースファンがあり、SSD×2(2.5型)、HDD×1(3.5型)が搭載可能です。
右側面を開閉するとSSD(2.5型)にアクセス可能です。
- ケースの質感が良い
- ミニタワー型よりコンパクトなサイズ
- 移動もOKな安定した筐体になっている
- コンパクトなサイズながらストレージの拡張性は高い(SSD×3、HDD×1搭載可能)
- 底面にダストフィルターが付いている
ゲーム性能
ベンチマークソフトを使用してゲームのパフォーマンスをチェックしました。
3DMARK
3DMARKのFireStrikeはDirectX 11、TimeSpyはDirectX 12のパフォーマンスを計測する定番ベンチマークソフトです。
機種名 | 構成 | 3DMARK TimeSpy |
---|---|---|
PP-Z-3070Ti | Core i7-12700KF RTX 3070 Ti |
|
HM-B-3060Ti-FGPC | Core i7-12700F RTX 3060 Ti |
|
EM-B-6600XT-AF | Core i5-11400F RX 6600 XT |
|
HM-B-FGPC | Core i7-12700F RTX 3060 |
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EM-B-FGPC | Core i5-12400F RTX 3050 |
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G-Tune PM-B | Core i7-10700 GTX 1660 |
|
PL-B-A380 | Core i5-12400 インテル Arc A380 グラフィックス |
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PL-B | Core i5-9400 GTX 1650 SUPER |
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G-Tune P5 | Core i5-11400H GTX 1650 |
|
DAIV 4P | Core i7-1165G7 インテル Iris Xe グラフィックス |
当サイトでテストしたTimeSpyの参考スコア比較です。
グラフィックスの性能で比較するとインテル Arc A380 グラフィックスはGTX 1650 SUPER程度の性能でした。
ただ、他のベンチマークで比較するとGeForceの方が良い結果になる事が多かったです。
3DMARKは実際のゲーム性能を知るのに最適なベンチマークソフトですが、インテル Arc A380 グラフィックスに関しては純粋な性能はこの程度あるけど、様々な要因で実際のゲーム性能はもっと下になるという事なのかもしれません。
ファイナルファンタジー15
解像度 | 設定 | スコア / FPS / 評価 |
---|---|---|
4K 3840×2160 |
高 | 1311 / 13 fps 【動作困難】 |
WQHD 2560×1440 |
高 | 2225 / 22 fps 【重い】 |
フルHD 1920×1080 |
高 | 2943 / 29 fps 【やや重い】 |
標準 | 4748 / 48 fps 【やや快適】 |
|
軽量 | 6141 / 61 fps 【快適】 |
フレームレートはスコアから算出した数値です。
ファイナルファンタジー15は重量級ゲーム。スコアの評価としては6,000スコアで「快適」、12,000スコアで「非常に快適」になります。
フルHDの高設定でやや重い評価です。重量級ゲームは画質設定の調整が必要になります。
機種名 | 構成 | FF15高品質 |
---|---|---|
EM-B-FGPC | Core i5-12400F RTX 3050 |
|
PM-B | Core i7-10700 GTX 1660 |
|
P5 | Core i5-11400H GTX 1650 |
|
PL-B-A380 | Core i5-12400 インテル Arc A380 グラフィックス |
|
DAIV 4P | Core i7-1165G7 インテル Iris Xe グラフィックス |
FF15参考比較
FF15ベンチマークでは、インテル Arc A380 グラフィックスはノートPCのGTX 1650より低く、インテル Iris Xe グラフィックスより少し高い程度の性能でした。
ファイナルファンタジー14
解像度 | 設定 | スコア / FPS / 評価 |
---|---|---|
4K 3840×2160 |
最高 | 2629 / 17 fps 【設定変更を推奨】 |
WQHD 2560×1440 |
最高 | 5464 / 37 fps 【普通】 |
フルHD 1920×1080 |
最高 | 8652 / 59 fps 【快適】 |
高 | 9267 / 63 fps 【快適】 |
|
標準 | 15406 / 104 fps 【非常に快適】 |
フレームレートはレポート出力の平均フレームレートの数値です。
ファイナルファンタジー14は中程度の描画負荷のゲーム。暁月のフィナーレは8,000スコアで「快適」、15,000スコアで「非常に快適」評価になります。
フルHD最高設定で快適評価です。中程度のゲームなら高画質でも快適な動作が見込めます。
機種名 | 構成 | FF14最高品質 |
---|---|---|
EM-B-FGPC | Core i5-12400F RTX 3050 |
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P5 | Core i5-11400H GTX 1650 |
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PL-B-A380 | Core i5-12400 インテル Arc A380 グラフィックス |
|
DAIV 4P | Core i7-1165G7 インテル Iris Xe グラフィックス |
FF14参考比較
FF14ベンチマークでも、インテル Arc A380 グラフィックスはノートPCのGTX 1650より低い結果となりました。ただ、インテル Iris Xe グラフィックスよりはかなり高い性能でした。
PSO2:NGS
解像度 | 設定 | スコア / 評価 |
---|---|---|
4K 3840×2160 |
ウルトラ | 465【重い】 |
WQHD 2560×1440 |
ウルトラ | 1452【重い】 |
フルHD 1920×1080 |
ウルトラ | 3213【重い】 |
中 | 11203【快適】 | |
最低 | 31040【快適】 |
PSO2:NGSは「10,001以上」のスコアで「快適」評価です。「5,001~10,000」で標準的な動作、「5,000未満」で重い動作判定となります。設定は最高設定のウルトラ(設定6)です。
フルHDの中設定で快適評価です。PSO2:NGSは画質を調整すると軽くなるので、中設定辺りで快適な動作が期待出来ます。
機種名 | 構成 | PSO2:NGS最高品質 |
---|---|---|
EM-B-FGPC | Core i5-12400F RTX 3050 |
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PM-B | Core i7-10700 GTX 1660 |
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P5 | Core i5-11400H GTX 1650 |
|
PL-B-A380 | Core i5-12400 インテル Arc A380 グラフィックス |
|
DAIV 4P | Core i7-1165G7 インテル Iris Xe グラフィックス |
PSO2:NGS参考比較
PSO2:NGベンチマークは、FF14と同じような傾向がありました。インテル Arc A380 グラフィックスはノートPCのGTX 1650より低い結果で、インテル Iris Xe グラフィックスよりはかなり高い性能でした。
Apex Legends
人気FPSゲームのApexLegendsでは最高画質60fps前後、最低画質では80fps前後を記録しました。
高画質60fps動作は期待出来ますが、ApexLegendsで144fpsを狙いたい方はより上位のゲーミングPCがおすすめです。
解像度 | 設定 | FPS |
---|---|---|
フルHD 1920×1080 |
最高 | |
最低 |
計測場所:ストームポイント「養殖場」
オーバーウォッチ2
人気FPSゲームのオーバーウォッチ2では最高画質50fps前後、最低画質では122fps前後を記録しました。
高設定60fps動作は期待出来ますが、オーバーウォッチ2で144fpsを狙いたい方はより上位のゲーミングPCがおすすめです。
解像度 | 設定 | FPS |
---|---|---|
フルHD 1920×1080 |
最高 | |
最低 |
計測場所:「Eichenwalde」。乱戦時のみのフレームレート計測です。レンダー・スケールは100%に設定しています。
フォートナイト
人気TPSゲームのフォートナイトのフルHD解像度/最高画質では40fps前後。最低では200fps前後を記録しました。
フォートナイトは画質設定を調整すると非常に滑らかな描画で快適です。
解像度 | 設定 | FPS |
---|---|---|
フルHD 1920×1080 |
最高 | |
低 |
「TILTED TOWERS BENCHMARK」の平均fps。3D解像度は100%に変更。レイトレーシング / NVIDIA DLSS無効で計測。DirectX12を有効。
ゲーム性能まとめ
ゲーム性能をまとめます。インテル Arc A380搭載の「G-Tune PL-B-A380」はフルHD解像度の中程度のゲームなら動作するタイトルが多い印象です。
重量級ゲームは画質設定を調整する必要があり、高解像度は厳しい印象です。
ドライバが安定していないのか、フレームレートが低下するというような事もあったので、初心者の方には素直にNVIDIA GeForce搭載のゲーミングPCがおすすめです。
4K解像度 | |
WQHD解像度 | |
フルHD解像度 |
- 4K解像度:FF15:最高設定で動作困難。
- WQHD解像度:FF15:最高設定で重い評価。
- フルHD解像度:FF15:最高設定でやや重い評価。
CPU性能
CINEBENCH R23
「CINEBENCH R23」はCGレンダリング性能を測定するベンチマークテストです。
製品名 | CINEBENCH R23(マルチ) |
---|---|
Core i7-12700K | |
Ryzen 7 5800X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 5 5600X | |
Core i5-11400F | |
Ryzen 5 3500 |
CINEBENCH R23を当サイトでテストした比較になります。
Core i5-12400は、ビジネス用途や、趣味の画像や動画編集など、幅広く使える性能を持っています。普段使いのパソコン用途としてもおすすめの性能です。
ゲーム用途としてもコストパフォーマンスが高いCPUなので、Core i5-12400はコスパで選びたい方におすすめです。
ベンチマーク
PC MARK10
PCMark 10 | Essentials | Productivity | DCC |
6151 | 9840 | 7250 | 8852 |
パソコンの総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークソフトが「PCMark 10」です。
Essentialsはアプリケーションの起動速度、Webブラウジング、ビデオ会議などのPCの基本性能を計測します。
Productivityはオフィスソフトの性能、Digital Content Creation(DCC)は写真編集、動画編集などのクリエイティブ系ソフト性能のスコアとなっています。
機種名 | 構成 | PC MARK10 |
---|---|---|
PP-Z-3070Ti | Core i7-12700KF RTX 3070 Ti |
|
H5-LC | Core i9-12900H RTX 3070 Ti |
|
HM-B-3060Ti-FGPC | Core i7-12700F RTX 3060 Ti |
|
HM-B-FGPC | Core i7-12700F RTX 3060 |
|
HN-Z-6700XT | Core i7-11700K RX 6700 XT |
|
EM-B-6600XT-AF | Core i5-11400F RX 6600 XT |
|
EM-B-FGPC | Core i5-12400F RTX 3050 |
|
PM-B | Core i7-10700 GTX 1660 |
|
PL-B-A380 | Core i5-12400 インテル Arc A380 グラフィックス |
|
P5 | Core i5-11400H GTX 1650 |
|
DAIV 4P | Core i7-1165G7 インテル Iris Xe グラフィックス |
PC MARK10参考比較
ノートPCのエントリーモデルと比較すると高い性能ですが、デスクトップPCの中では低めという結果になりました。
普段使いとしての性能は十分高いので、一般的な使用用途やゲームをライトに楽しむ、簡単な編集作業なら十分な性能でしょう。
ストレージの速度
ゲームではSSDにインストールするとロード時間が短縮される効果や、カクつきを抑える効果が見込めます。
500GBのNVMe SSDが搭載されています。 パソコンの動作がサクサクで、ゲームでもストレスフリーです。
消費電力
アイドル時 | 高負荷時 |
---|---|
消費電力はワットチェッカー(REX-BTWATTCH1)で計測しています。
高負荷時は3DMARKのTimeSpyを開始した序盤の消費電力の計測です。数値の変動があるので参考程度に見てみて下さい。
温度
室温26℃環境での計測になります。計測ソフトはHWMONITOR-PROを使用しています。アイドル時と3DMARKのFireStrikeおよびCINEBENCH R23を10分間実行した際の最大温度です。
グラフィックスボードの温度は計測ツールでは表示されませんでした。
静音性
アイドル時 | 3DMARK |
40.4 db | 42.2 db |
アイドル時と3DMARKのFire Strikeを実行した時の騒音デシベルを計測しました。無響室で計測した訳で無く、一般的な住宅で計測した数値になっているので参考程度に見てみて下さい。
FireStrike実行時の中で、最も動作音の大きい数値です。環境の下限は40db前後です。
静音性が高く、実際に使用していて気になる事が無い静音性です。
まとめ
「G-Tune PL-B-A380」はケースがマットな質感で高級感を感じます。コンパクトなサイズで、ハンドルが付いているので模様替えなどのシーンでも気軽に持ち運び出来ます。
性能面ではフルHD解像度で中程度のゲームが楽しめる性能の「インテル Arc A380 グラフィックス」が搭載しています。
価格次第では選択肢に入れても良いとは思いますが、GeForceやRadeonなどのグラフィックスボードと比較するとドライバ含めて安定面で劣る印象もあります。
初心者の方にはあまりおすすめしませんが、新しい物を好む方はゲットしてみても良いかもしれません。
- サイズがコンパクトなゲーミングPCを探している方
- 持ち運びに便利なデスクトップPCを探している方
- フルHD解像度の中程度のゲームを楽しむ方