インテル第14世代Coreプロセッサー「Core i7-14700KF」のスペックについての解説と実際に実機でベンチマークを取得した数値比較をしています。
Core i7-14700KFのスペック
まずは「Core i7-14700KF」のスペックを確認してみましょう。
製品名 | Core i7-14700K | Core i7-14700KF |
---|---|---|
コア数 / スレッド数 | 20(8P/12E)コア/ 28スレッド | 20(8P/12E)コア/ 28スレッド |
動作クロック | 3.4 GHz | 3.4 GHz |
最大クロック(TB時) | 5.6 GHz | 5.6 GHz |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4 3200 | DDR5 5600 DDR4 3200 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 770 | – |
3次キャッシュ | 36MB | 36MB |
基本電力 | 125 W | 125 W |
最大電力 | 253 W | 253 W |
対応ソケット | LGA1700 | LGA1700 |
Core i7-14700KFとCore i7-14700Fの違いは、Intel UHD グラフィックス 770が搭載しているか、していないかです。
Fが付いているモデルは基本的に内蔵グラフィックスが無いモデルです。ゲーマー向けモデルとも呼ばれる事があります。
ゲーミングPCの場合にはグラフィックスボードが搭載されているのでFが付いていても付いていなくてもどちらでもゲームが楽しめます。
Core i7-14700KFはEコアが増加
Intel CPUにはPコア(Performanceコア/性能重視)とEコア(efficientコア/効率重視)が第12世代から搭載されています。負荷の高い処理をPコアが行い、優先度の低い処理をEコアが担当します。負荷に応じて2種類のコアに処理が振り分けられるため、ユーザーが最優先に行いたい作業をバックグラウンド処理に邪魔される事なく、優先的に処理可能な点が画期的です。
インテルCPUは第12世代から2種類のコアが搭載されるハイブリッドアーキテクチャが採用されています。
第12世代の「Core i7-12700/F/KF」ではEコア数が4基。第13世代の「Core i7-13700/F/KF」ではEコア数が8基。そして今回の第14世代の「Core i7-14700/F/KF」では12基に増加しています。
インテル第14世代はマイナーアップデートで性能が微増する程度ですが、第14世代のCore i7はEコア数が増加しているので性能面の向上があります。
APO(Application Optimization)に対応
APO(Application Optimization)は、対応ゲームのフレームレートが向上する機能です。PコアとEコアはインテル第12世代から登場した技術なので、特に昔のゲームではしっかりと最適化出来ていない事があります。
PコアとEコアの使い分けがうまく出来ないゲームタイトルを最適化する技術が「APO」になります。
Core i7-14700Fとの違い
製品名 | Core i7-14700KF | Core i7-14700F |
---|---|---|
コア数 / スレッド数 | 20(8P/12E)コア/ 28スレッド | 20(8P/12E)コア/ 28スレッド |
動作クロック | 3.4 GHz | 2.1 GHz |
最大クロック(TB時) | 5.6 GHz | 5.4 GHz |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4 3200 | DDR5 5600 DDR4 3200 |
グラフィックス | – | – |
3次キャッシュ | 36MB | 36MB |
基本電力 | 125 W | 65 W |
最大電力 | 253 W | 219 W |
対応ソケット | LGA1700 | LGA1700 |
「Core i7-14700KF」と「Core i7-14700F」の違いは、コア/スレッド数は同じですが、動作クロックの違いや、最大消費電力量などの違いがあります。
大きな点としては、K付きになる事で倍率アンロック(オーバークロック)が可能になります。
- K付き:オーバークロックが可能なモデル
- 無印:オーバークロック非対応
- F付き:内蔵グラフィック非搭載モデル
整理するとインテルCPUはこのような内訳になっています。
- K付きでFも付いていない「Core i7-14700K」の場合はオーバークロック対応で内蔵グラフィック搭載モデルという事になります。
- 無印でF付きの「Core i7-14700F」の場合はオーバークロック非対応で内蔵グラフィック非搭載モデルという事になります。
また、オーバークロックに対応するのはZ790チップセットのみの対応となります。H770やB760では対応していないので注意点になります。
さらに、「APO(Application Optimization)」に対応するデスクトップ向けCPUとしては「Intel Core i9-14900K/KF」「Core i7-14700K/KF」の対応となっています。なので「Core i7-14700F」は対応していないという点も違いです。
Core i7-14700KFの価格
単品価格
- Core i7-14700K:66,977円(税込)
- Core i7-14700KF:62,970円(税込)
- Core i7-14700F:60,813円(税込)
価格は2024年1月のドスパラ調べです。CPU単品価格が「Core i7-14700K」と「Core i7-14700KF」で比較すると約4,000円安いです。ゲーミングPCならF付きの方がお得です。
Kが付かないオーバークロック非対応の「Core i7-14700F」では2,000円程度価格差があります。
ゲーミングPCの価格
製品 | 構成 | 価格 |
---|---|---|
GALLERIA ZA7C-R48 | Core i7-14700KF RTX 4080 | 38万円台 |
GALLERIA ZA7C-R47T | Core i7-14700KF RTX 4070 Ti | 33万円台 |
GALLERIA ZA7C-R47 | Core i7-14700KF RTX 4070 | 28万円台 |
GALLERIA RA7C-R48 | Core i7-14700F RTX 4080 | 36万円台 |
GALLERIA RA7C-R47T | Core i7-14700F RTX 4070 Ti | 28万円台 |
GALLERIA RA7C-R47 | Core i7-14700F RTX 4070 | 25万円台 |
価格は2024年1月のドスパラ調べです。GALLERIA Zシリーズはメモリ32GB / NVMe SSD 1TBなのでRシリーズはカスタマイズした価格になっています。
RTX 4080はあまり価格差がないのでハイエンド構成ならZシリーズがおすすめです。RTX 4070番台ならRシリーズのコスパが良いです。
検証機材のスペック
今回の検証に当たっての機材は以下の表の通りとなっています。
検証環境 | |
---|---|
OS | Windows 11 |
CPU | Core i7-14700KF Core i5-14400F |
CPUクーラー | 水冷CPUクーラー(240mm) |
CPUグリス | ダイヤモンドグリス 親和産業 OC7 |
グラフィック | RTX 4080 RTX 4070 RTX 4060 Ti RTX 4060 |
メモリ | 32GB(DDR5-4800) |
マザーボード | Z790 |
CPUはCore i7-14700KFとCore i5-14400Fを使い、RTX 4080~RTX 4060でデータを取得し、ベンチマークテスト結果の比較をしていきます。
CINEBENCH
マルチコア | シングルコア | |
---|---|---|
CINEBENCH R23 | 35437 pts | 2181 pts |
CINEBENCH 2024 | 1675 pts | 127 pts |
CINEBENCH R23はCGレンダリング性能を測定するベンチマークテストです。
黄色で示した箇所が「Core i7-14700KF」のCINEBENCH R23のマルチスコアのベンチマークスコアになります。
第14世代の「Core i9-14900KF」と第13世代の「Core i9-13900K」では差がほぼ無いです。第14世代の「Core i5-14400F」と第13世代の「Core i5-13400F」でも差がほぼ無いです。
ですが、第14世代ではCore i7だけEコアが増えているので性能差があります。
なので、第9世代/第10世代/第11世代インテルCPUをお使いの方で、第14世代の中で買い替えを考えるとCore i7がおすすめのCPUです。
3DMARK
3DMARKのTimeSpyはDirectX 12のパフォーマンスを計測する定番ベンチマークソフトです。
3DMARKのTimeSpyでは、RTX 4060ではほぼ差が無く、RTX 4060 Ti以上から少し性能差が出ています。
FF15ベンチマーク
ファイナルファンタジー15は重量級ゲーム。スコアの評価としては6,000スコアで「快適」、12,000スコアで「非常に快適」になります。
FF15では、RTX 4060 Tiで少し差が出てきています。Core i7-14700F/KFならRTX 4070以上のグラフィックスと組み合わせるのがおすすめです。
FF14 暁月のフィナーレ ベンチマーク
ファイナルファンタジー14は中程度の描画負荷のゲーム。暁月のフィナーレは8,000スコアで「快適」、15,000スコアで「非常に快適」評価になります。
FF14 暁月のフィナーレはCPUの影響が大きいベンチマークテストです。RTX 4060でもかなり差が出ています。
FF14 黄金のレガシー ベンチマーク
ファイナルファンタジー14 黄金のレガシーは、NVIDIA DLSS対応になります。NVIDIA DLSS対応グラフィックスボードを使用している場合にはNVIDIA DLSSに変更するのが推奨されています。
スコア評価に関しては暁月のフィナーレベンチマークと同様です。8,000スコアで「快適」、15,000スコアで「非常に快適」評価になります。
FF14 黄金のレガシーでは、RTX 4060 Ti以上から少し差が顕著になっています。RTX 4070以上だと差がより大きいです。Core i7-14700F/KFならRTX 4070以上のグラフィックスと組み合わせるのがおすすめです。
BLUE PROTOCOLベンチマーク
BLUE PROTOCOLは、「8000~8999」スコアで「快適」、「10000スコア以上」で「極めて快適」評価になります。
BLUE PROTOCOLでは、RTX 4060 Ti以上で差が出ています。
PSO2:NGSベンチマーク
PSO2:NGSは「10,001以上」のスコアで「快適」評価です。「5,001~10,000」で標準的な動作、「5,000未満」で重い動作判定となります。
PSO2:NGSは、RTX 4060 Ti以上の場合には性能が少し変わってきます。RTX 4070以上だとかなり顕著に性能差が出ています。
パルワールド
パルワールドはMAX 240fpsのゲームになります。最高画質と最低画質の両方を計測しました。この項目のみRTX 4070 Tiも追加しています。
パルワールドでは、CPUによる性能差が出ています。CPU影響が比較的あるタイトルになります。推奨スペックでは「Intel Core i9-9900K」が指定されています。
Apex Legends
Apex LegendsはMAX 300fpsのゲームになります。FPS/TPSゲームでは画質設定を下げてフレームレートを確保したい方も多いので、低画質設定で比較していきます。
Apex Legendsは、MAX 300 fpsなので上限値に引っかかってしまう点もありますが、CPU性能の差があまり出ないタイトルです。
レインボーシックスシージ
レインボーシックスシージは、APO対応ゲームです。
レインボーシックスシージで見ると「Core i5-14400F」はCPUボトルネックが出ていて、「Core i7-14700KF」と比較すると性能差が大きいです。特にグラフィックスボードの性能が高くなるにつれて性能乖離が大きくなっています。
メトロ エクソダス(PCエンハンスドエディション)
メトロエクソダスは、APO対応ゲームです。
メトロエクソダスでは、RTX 4070からフレームレートの性能乖離が大きくなっています。
まとめ
Core i7-14700KF、はオーバークロックが可能な内蔵グラフィックがないモデルです。
第14世代のCore i7はEコア数が増加しているので性能面の向上がありました。また、APO(Application Optimization)に対応しているので、対応ゲームで高いパフォーマンスでゲームが快適に遊べます。
性能面ではRTX 4070以上と組み合わせる事でパフォーマンスを最大限発揮する印象です。
FPS / TPSゲームでは「Core i7-14700KF」と「Core i5-14400F」では性能乖離が大きいタイトルもありました。
CPUのパフォーマンスを求める性能重視の方に「Core i7-14700KF」はおすすめのCPUです。
- Core i7-14700KFはRTX 4070以上の組み合わせがおすすめ
インテルCPU搭載のおすすめゲーミングPC
インテルCoreプロセッサー搭載のおすすめゲーミングPCをご紹介します。
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